研究課題/領域番号 |
14571902
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
西原 一秀 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (30253892)
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研究分担者 |
野添 悦郎 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (40208351)
三村 保 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70028760)
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キーワード | 口唇口蓋裂 / 自家腸骨海綿骨移植術 / 多血小板血漿 / アルミニウム当量値 |
研究概要 |
Smart Prepシステムにより唇顎口蓋裂児の自己血から精製された多血小板血漿(PRP)を顎裂部自家腸骨海綿骨移植術に使用し、創傷治癒ならびに骨再生促進効果を認めたので、その概要を報告する。 対象は、唇顎口蓋裂患児9名(片側性唇顎口蓋裂6名、両側性唇顎口蓋裂3名、男児7名、女児2名)で、腸骨移植術時年齢は平均8.7歳であった。 術式は患児の腸骨稜前縁から摘出した海綿骨に、自己血約20mlから精製・作製したPRP3mlと自己トロンビン、塩化カルシュウムを混入し、顎裂部へ骨移植した。移植骨量は昨年度の研究結果より2.98g/cm^3以上の密度となるように填入した。 1.血小板の濃縮増加率 術前の血小板数は平均30.0±8.3×10^4/mm^3(最低17.7×10^4/mm^3、最高40.7×10^4/mm^3)で、PRP精製後は平均96.1±25.0×10^4/mm^3(最低58.4×10^4/mm^3、最高119.2×10^4/mm^3)で、濃縮増加率は324.1%であった。 2.創傷治癒促進効果 腸骨移植部の創傷治癒は良好で、移植後に創の感染や離開、骨露出を起こした症例はなかった。 3.アルミニウム当量値による移植骨の評価 移植骨の骨再生促進効果をアルミニウム当量値で検討した。術後1週目のアルミニウム当量は平均5.16±0.61、1か月4.58±0.64、3か月5.19±0.40で、PRP未使用の腸骨移植術後の平均5.85±1.34、1か月5.61±1.86、3か月5.18±1.41に比べてPRP使用の患児の骨再生が促進する傾向が見られた。 4.学会報告 The 5^<th> Asian-Pacific Cleft Lip & Palate Conference (2003.9.29-10.1 Seoul Korea)で本研究の概要の一部を報告した。
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