研究課題/領域番号 |
14571922
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
関谷 秀樹 鶴見大学, 歯学部, 助手 (70267540)
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研究分担者 |
瀬戸 皖一 鶴見大学, 歯学部, 教授 (60064367)
近藤 壽郎 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70178416)
高垣 裕子 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (60050689)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 骨芽細胞 / 骨細胞 / 機械的刺激 / 骨髄細胞 / 骨膜細胞 / 未分化間質細胞 / 内軟骨性骨化 / 膜性骨化 |
研究概要 |
平成14年度におけるin vitroでの実験では、大きく分けて2つの事象が観察された。1つは、骨細胞はメカニカルストレスに対して、'細胞内にカルシュウムを流入させ器質化を強める役割を行っていて、実際に骨延長では、その主役は未分化な間質細胞とそれらが分化した骨芽細胞であることが判明している。そして、超音波刺激のような、低出力でHSP72を上げることなく、細胞に刺激を与える系では、骨芽細胞がその刺激に対してアナボリックな反応を起こすことが観察された。もう一つは、細胞へのメカニカルストレス付与時のCOX-2mRNAの上昇である。NS398のようなCOX-2のブロッカーを用いた場合、骨芽細胞の超音波刺激に対するアナボリックな反応が消失したことから、COX-2〜PGE2産成の系が、骨芽細胞の骨形成(増殖または分化)効果に大きな影響を与えていることが推測された。骨延長においも、緩徐に仮骨延長していく過程が、COX-2の上昇をみることからPGE2合成系の影響と、各種成長因子との関係を調べることが重要と考え、平成15年のin vivoの実験計画として、高齢COX-2ノックアウトマウスの延長前仮骨の治癒過程について、組織学的に追跡した後、骨延長実験を行った。その結果、高齢COX-2ノックアウトマウスの延長前仮骨治癒は、Wild-Typeに比べて遅延し、さらに超音波刺激による骨形成効果の観察が全くみられないという結果が得られた。すなわち、各種成長因子の枯渇した高齢マウスはCOX-2〜PGE2合成系によっての骨形成にバックアップされるのみで、さらにCOX-2〜PGE2合成系は機械的刺激の骨形成効果としてのシグナルを伝達する重要な役割を果たすことが判明した。そしてさらに、超音波照射によるCOX-2〜PGE2合成系による骨形成効果は、骨髄由来の骨芽細胞と、骨膜由来の骨芽細胞のどちらに作用しているかという実験では、骨髄細胞においても、免疫染色でOsteocalcin抗体の上昇をみたことから、骨髄内における細胞分化促進による骨化に、効果があることが判明した。今後は、機械的刺激のシグナリングであるCOX-2〜PGE2合成系を調節することで、BMPなどの骨形成蛋白による骨化シグナルが影響を受けるかについて調査していく予定である。
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