研究課題/領域番号 |
14571937
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
千葉 潤子 東北大学, 病院, 助手 (50197620)
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研究分担者 |
小澤 雄樹 東北大学, 病院・講師 (90125518)
玉澤 かほる 東北大学, 病院・講師 (00124602)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 思春期性歯肉炎 / 歯石 / 歯肉出血 / 唾液量 / HLA遺伝子多型 / IL-1遺伝子多型 / TGF-B遺伝子多型 / 歯肉炎リスク因子 |
研究概要 |
この研究の目的は思春期における歯肉炎のリスク因子を分析することであった。平均年齢13歳6か月の男子生徒25名、女子生徒52名とその保護者から研究の協力についての同意が得られた。歯肉炎についてはプロービングによる歯肉出血や歯石付着の有無を調査した。歯肉出血は77名中24名(31.2%)、歯石付着は77名中31名(40.3%)に認められ、歯肉出血および歯石付着のある者の男女の差は認められなかった。歯肉溝の深さは、すべての生徒において、1-2mmであった。歯肉出血や歯石付着の有無間ではプラークコントロールレコードの割合に統計学的に有意な差が認められなかった。男子生徒は歯石沈着があると歯肉出血が統計学的に有意に認められた。また、歯石沈着がある生徒は刺激唾液量が統計学的に有意に多かった。歯肉出血および歯石付着の有無における群の間において、刺激唾液量と女子生徒の安静時唾液量は、統計学的に有意な差を示した。身長が低い女子生徒は、統計学的に有意に歯肉出血歯数が多かった。初経の時期により歯肉出血歯数に差が認められた。ヒト白血球抗原(HLA)遺伝子多型のFlL-DQB1*04は歯肉出血なし群に地較して歯肉出血あり群で、HLA-DQB1*05は歯石付着なし群に比較して歯石付着あり群で統計学的に有意に多く認められた。サイトカイン遺伝子多型のインターロイキン1(IL-1)(-511)での遺伝子多型は歯肉炎の所見と統計学的に有意な関係が認められなかった。また、トランスフォーミィンググロースファクターベータ(TGF-B)(-509)遺伝子多型は男子生徒においてのみTT型、CT型、CC型の遺伝子多型間においてCPI=0群とCPI≧1群の間や歯石付着の有無の間で遺伝子多型頻度に統計学的に有意な差が認められた。この研究により思春期における歯肉炎のリスク因子として歯石沈着、唾液量、身長、初経の時期、HLA-DQB1遺伝子多型、TGF-B遺伝子多型が示唆され、さらにこれらのリスク因子に性差が認められた。
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