研究課題/領域番号 |
14571939
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
須佐美 隆史 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (80179184)
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研究分担者 |
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90171454)
徳永 勝士 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40163977)
山崎 安晴 北里大学, 医学部, 講師 (00210401)
酒井 直彦 北里大学, 医学部, 講師 (10265639)
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キーワード | 口唇口蓋裂 / HLA / 形態形成 / DLX1 / DLX2 / ケースコントロール研究 |
研究概要 |
顎変形症や口唇口蓋裂、鰓弓症候群などの先天異常疾患は現在のところ環境要因と遺伝要因が互いに影響し合って発症する多因子遺伝疾患とされている。環境要因の解明はかなり進んでいる一方、遺伝要因についてその詳細はまだ解明が進んでいない。このような疾患に対する外科手術、歯科矯正治療の結果もその成否は様々で、やはり疾患そのものに対して遺伝子治療を含む予防的手段を講じ発症を防ぐことが期待される。それにはこれらの疾患の発症原因をつきとめることが必要である。今回は研究課題の第一段階として口唇口蓋裂患者に研究対象を絞り(実験1)HLA領域に存在するHLA-DRB1^*1302、(実験2)胎生期の形態形成に関与し疾患感受性候補遺伝子であるDLX1,DLX2について疾患関連性の有無を検討した。 対象;非血縁の日本人口唇口蓋裂患者(実験1)113検体、(実験2)142検体、コントロール群として非血縁の日本人健常者(実験1)145検体、(実験2)96検体とした。 方法;(実験1)PCR-MPH法を用いてタイピングを行った。(実験2)多型スクリーニングにより検出された多型についてダイレクトシークエンス法を用いてタイピングを行った。これらのタイピング結果を基に疾患群とコントロール群との各多型毎のアリル頻度、アリル陽性率について統計学的解析を行い、多型毎の疾患関連性を検討した。 結果と考察;(実験1)口唇口蓋裂患者全体においてDRB1^*1301の有意な増加、DRB1^*1302の減少が見られた。裂型別では右側口唇顎裂群においてDRB1^*0802、DRB1^*1202の増加傾向が認められた。以上より裂形成に関与する遺伝子、および裂型の決定に関与する遺伝子が共にHLA領域に存在する可能性を示唆していた。(実験2)DLX1においてはアミノ酸翻訳領域にcommon mutationは認められなかった。DLX2においては(AGC)nにおいてR7アリルと完全口唇口蓋裂の発症に関連が示唆された。
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