研究課題/領域番号 |
14571942
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
矯正・小児・社会系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
川元 龍夫 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50323704)
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研究分担者 |
馬場 祥行 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70251535)
鈴木 聖一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (90187732)
本橋 信義 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (10134735)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 骨延長術 / ビーグル犬 / 骨密度 / 血流 |
研究概要 |
実験動物はビーグル成犬を用い、実験側(左側)において口唇口蓋裂患者の顎裂を想定した実験的骨欠損を作成した。また右側には骨欠損作成を行わなかった。実験側上顎切歯3本抜歯後、顎裂相当部の口蓋粘膜を骨膜ごと剥離し、マイクロモーターを用いて、近遠心幅10mmの実験的骨欠損を作成した。その後、両側において第一、二前臼歯の抜歯を行った。骨欠損作成2ヶ月後、実験側の上顎犬歯を含む歯槽骨の骨切りを行い、3日間のlatency periodの後、骨延長器を用いて、同歯槽骨の近心移動を行った。実験群を移動速度により以下の2群に分けた。 1)急速移動群(移動速度2mm/1日、移動:5日間、移動量:総計10mm)、2)遅速移動群(移動速度1mm/1日)、移動:10日間、移動量:総計10mm)。 また、非移動群(移動速度0mm/1日、移動量:総計0mm)を対照群とした。各実験群について、屠殺時期を骨延長開始後100日と設定し、各々について、移動した歯槽部の周辺歯槽骨の変化ならびに新生骨の形成様相を、3次元CT解析装置を用いた定量的分析により、比較検討した。さらに歯槽部の骨延長が歯髄の血流に与える影響をレーザードップラー血流計を用いて検討した。 1.急速、遅速移動群の骨延長部における歯槽骨骨密度は、非移動群における歯槽骨に比べ、小さい値となった。また、骨延長部の遠心端付近で最も小さい値となった。 2.急速、遅速移動群の骨延長部における歯槽骨の断面積は、非移動群における歯槽骨に比べ、著しく小さい値となり、特にcortical boneの割合が小さいことが認められた。 3.骨延長により一旦減少した移動歯槽部に含まれる犬歯歯髄における血流量は、徐々に増加するものの、骨きり前の値まで回復するにはかなりの時間が必要であることがわかった。 以上の結果から、本実験における骨延長により新生された歯槽骨は、骨密度および骨量ともに非移動群の歯槽骨と異なり、血流の回復に時間を要することが示唆された。
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