研究の目的: 齲蝕下乳歯象牙質の微小硬度と弾性率がレジンの接着性に及ぼす影響を齲蝕下乳歯象牙質と健全象牙質間で比較する。 平成14年度の研究結果: 1.自家考案の引張り治具、試料ホルダーの作成 東京歯科大学歯科理工学講座の協力下に、自家考案の引張り試験用治具、試料ホルダーと規格切削用ガイド(自家考案引張り試験用jigシステム)を作成した。 2.引張り試験用jigシステムの有効性試験 本システムを用いて健全乳歯象牙質の引張り強さを試験的に測定した。 (1).自家考案のjigを用いると、試料に対して引張り応力が垂直に加わり、応力のねじれを回避できた。 (2).乳歯象牙質の引張り強さは、部位により有意な差を示した。<以上の結果は、第32回AADR学会:2003年3月12-15日、San Antonio>で発表の予定である。 3.健全乳歯象牙質に対する微小引張り接着強さ(MTBS)の測定及び微小硬度と弾性率の測定 (1).Self etchingレジンシステムとコンポジットレジンを用いた場合の乳歯象牙質に対するMTBSは低かった。(2).引張り接着試験に際し、応力を加える前に破折してしまうサンプルが多かった。(3).コンポジットレジンと乳歯の硬さの差が大きすぎて理想的な鏡面研磨面が得られにくく、微小硬度と弾性率が測定できない場合があった。(2)、(3)の結果をふまえ、実験デザインに改良を加えて研究を続行中である。
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