1 咬合の不調和がラット行動リズムおよび睡眠リズムに与える影響の検討 ラット切歯にcapをかぶせ、慢性的な不調和を与えることより、ラット行動リズムおよび睡眠リズムがどのように変化するかを検討した。その結果、咬合の不調和を与えると、通常夜間に見られる行動量の上昇が見られず、また通常昼間に見られる睡眠のパターンに乱れが認められた。 2 咬合の不調和がラット視床下部・下垂体・副腎皮質系に与える影響の検討 ラット切歯にcapをかぶせ、慢性的な不調和を与え、ラットラット視床下部・下垂体・副腎皮質系最終出力である血中コルチコステロンを測定した。さらにmicrodialysis法により、ラット視床下部室傍核の細胞外液中ノルアドレナリンを測定した。その結果、血中コルチコステロン及び視床下部細胞外液ノルアドレナリンはcapを装着後、上昇し、数時間後に基礎値に戻ったが、通常の夜間に見られる上昇は見られなかった。行動量の上昇や昼間における睡眠には視床下部・下垂体・副腎皮質系の最終出力である血中コルチコステロンが関与している。よって本研究結果は、咬合の不調和がラットにおいて慢性的なストレスと認識され、視床下部のcorticotropine-releasing hormone (CRH)の活性に影響していることを示唆する。
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