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2003 年度 実績報告書

ビスフェノールAの体内蓄積

研究課題

研究課題/領域番号 14571964
研究機関岩手医科大学

研究代表者

田中 光郎  岩手医科大学, 歯学部, 教授 (10143596)

キーワードビスフェノールA / 内分泌撹乱物質 / シーラント / 体内分布 / 蓄積 / オートラジオグラム / 胎児 / 環境ホルモン
研究概要

ビスフェノールAは胎児に対する影響が最も大きいとされており、この時期に体内に取り込まれた場合の、全身分布、体内蓄積、体外排泄を追跡することは、その安全性を検討する上で重要な情報であると考えられる。
妊娠13日目のマウス腹腔内に^<14>CビスフェノールAを注射後、1時間,24時間、3日間、5日間の各時点において、マウスを-94℃のヘキサン中で、5%カルボキシメチルセルロースに包埋した。これらを-25℃に保ったクリオスタットを用いて正中矢状方向に約10μmの厚さの切片を作成し、ガラス板上に展開して試料とし、この試料をカセッテに入れ、イメージングプレートに露光させ、露光したイメージングプレートをイメージアナライザーを用いてコンピュータにデジタルデータとして取り込み画像解析を行い、主要な臓器に関してビスフェノールAの体内分布を検討した。
その結果、投与後1時間では、全身にラジオアイソトープが分布しており、特に、肝臓、甲状腺、子宮壁などにはラジオアイソトープが高濃度に集積していた。24時間後では、肝臓の濃度が高く肝臓で代謝、分解されているものと推測された。3日、5日と経過するに従って、全身においてその量が減少して、反応は腹部の内臓に嗅定され、5日目では肝臓・子宮壁にアイソトープがわずかにディテクトできるだけであった。このことより、腹腔内に注入されたビスフェノールAの特定部位への蓄積は確認されず、時間とともに体外へ排出されるものと考えられた。胎児へは、1時間で他の組織と同程度の分布を示し、他の組織とほぼ同じスピードで反応が少なくなることから、胎盤にはバリヤーとしての働きはなく、注入直後から分布し、また逆に蓄積することもなく消失する傾向にあった。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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