マウス咽頭・喉頭のcDNAライブラリーを構築し、特異的遺伝子を検索した。その結果、マウス咽頭・喉頭に特異的に発現する遺伝子を見い出し、IF5と名づけた。この遺伝子のmRNAはマウスの気管、鼻腔、卵管、精巣上体頭部など線毛の機能の発達した組織にも発現していた。しかし、食道、腸、肝臓など他の組織ではまったく発現が観察できなかった。このことから、IF5は咽頭・喉頭にも存在する線毛上皮細胞に関与している可能性が考えられた。さらに、この遺伝子の咽頭における発現の加齢による影響を調べた。その結果、4週齢では高発現していたIF5 mRNAは10週齢から減少し、48週齢ではほとんど発現が観察できなかった。口腔上皮細胞にも発現していることがわかった。 今後 1.in vivo系においてメカニカルストレスが顎発育にどのような影響を与えるかを調べる。対照群と瘢痕組織群(口蓋部)方法:ステンレススチールワイヤー、直径0.08インチを使用する。ヘリカルを用いたスプリングを作製し、そのスプリングをマウスの前歯にエッチング処置を施しレジン系接着剤にて装着する。左右臼歯部の口蓋側にスプリングの脚部を接触させ拡大力をかける。対照群マウスと比較し、どのように上顎骨の形態や大きさが変化するか検討する 2.瘢痕組織群(口蓋部)においてのIF5の関連性を調べる。 マウスを用い口蓋粘膜に瘢痕組織を作製。瘢痕組織における創傷治癒の過程でのIF5の発現の確認。 (1)in situ hybridization(2)創傷治癒の各ステージにおいてサンプルを採取しNorthern blottingによりmRNA量を検出する。
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