研究課題/領域番号 |
14571978
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
荒川 真一 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (20302888)
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研究分担者 |
石川 烈 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10014151)
土田 信夫 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60089951)
中島 琢磨 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90256678)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | 歯周病原性細菌 / 歯周炎 / 細胞死 / 細胞致死因子(CCT) / 細胞周期 / Tannerella forsythensis / モノクロナール抗体 / 臨床検査 |
研究概要 |
重要な歯周病原性細菌であるTannerella forsythensisが保有する細胞致死因子(Cytocidal toxin : TfCCT)は、歯周炎の本能である歯周組織の炎症と破壊、防御機構からの回避に関わっていると推定される。そこで、本因子の同定・発現の調節・生体内での作用機秩の詳細を明らかにし、的確な診断・治療・予防法への新たな方法論の確立を目的とする。さらに、本菌のリポプロテイン、シアリダーゼについても研究したが、本概要では割愛した。 <研究成果>1.TfCCTの精製:T.forsythensisの超音波抽出液をDEAE-Sepharoseカラム、ゲルろ過にて精製後、本毒素はDNAと親和性を有する事が明らかとなった為、ヘパリンカラムにて更に精製を行った(TfCCT)。2.モノクロナール抗体:マウスを細菌粗抽出物にて免疫し、ハイブリドーマを樹立した。スクリーニングの結果、坑細胞致死活性を有するハイブリドーマが得られ、モノクロナール抗体(Me-24)を得た。3.TfCCTをコードする遺伝子(Tfcct)のクローニング:TfCCTのN末端のアミノ酸配列から推定される塩基配列をプローブとして用い、T.forsythensisのgene bank (phage)に対してクローニングを行い、クローンの塩基配列の決定・分析を行なった。その結果、クローンには、約2.1kbpのインサートが存在し、また4つのORFの存在(CCT1から4)が明らかになった。特に、CCT2は、prtHとhomologyが高かった。又、in vitroにてリコンビナントタンパク質を合成した。4.細胞死誘導の機序:細胞周期への影響:TfCCTを細胞に作用させたところ、これまで報告されているCDTと共通の現象が認められたが、TfCCTに特異的な活性も認められた。高度に精製したTfCCT、リコンビナントタンパク質を培養細胞に作用させると、G2期において細胞周期が停止され、CyclinB1が分解を阻害され、p53と共に蓄積することが明らかになった。5.臨床応用:CCTをコードする遺伝子を保有する当該細菌が、歯周炎患者で有意に増加していることが明らかになり、精製TfCCTに対するモノクロナール抗体、リコンビナントタンパク質を用いた簡便な臨床検査方法(ELISA, ELISPOT法)の確立を試みている。
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