研究概要 |
明海大学病院においても,糖尿病総合外来を設立し,糖尿病専門内科医師,眼科医師,歯周病専門医師,および管理栄養士が連携し,糖尿病患者の治療を行っている。本院を受診している2型糖尿病患者の歯周病有病状況の実態調査を行った。 材料および方法を以下に示す。 1)明海大学歯学部附属明海大学病院の内科を受診している2型糖尿病患者44名(男性30名,女性14名平均60.0歳)を対象とした。および,健常者25名(男性20名,女性5名平均31.4歳)である。 2)歯周組織審査として,(残存歯数、probingpocket depth(PPD)、bleeding on probing(BOP))を調べた。 3)糖尿病検査(ヘモグロビンAlc(HbAlc)、空腹時血糖値(FBS)、空腹時インスリン濃度(IRI)、インスリン抵抗性(HOMA-R)、body mass index(BMI)、C反応性蛋白質、β_2-microgloblin、その他生化学検査) これらについて調査、統計処理を行い、その相関関係を求め、以下のような結果を得た。 1)2型糖尿病患者の残存歯数の平均は,19.5歯PPD4mm以上の歯数の平均は9.1歯,BOP陽性歯数の平均は9.4歯,PPDの平均は3.87mmであった。 2)糖尿病の検査の平均は,HbAlc7.07%,FBS147.4mg/dl, IRI9.03μU/ml, HOMA-R3.24であった。 3)患者のBMI歯周組織検査項目との間に相関は認められなかったが,BMIとHOMA-Rとの間には有意な相関関係を認めた。 これらのことより,当院内科に通院している2型糖尿病患者は,血糖コントロールは比較的良好で,肥満度も低かったが中等度から重度歯周炎に罹患していた。
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