研究概要 |
骨芽細胞培養系(ROS17/2.8骨芽細胞様細包)に骨代謝を調節すると考えられる成長因子である腫瘍壊死因子(TNF-α;10ng/ml)またはフラボノイド(Gcnistein;50μM)を添伽後,全RNAを抽出しノーザンブロットを行った結果,TNF-αは添切口24時間後にmRNAの発現抑制し、Genisteinは12時間後に促進した。しかし,TNF-αは添加6時間後にはmRNAの発現を促進した。現在刺激時間によるTNF-αの効果の違いについて検討を進めている。 ルシフェラーゼベクターに種々の長さに調節したBSPプロモーター遺伝子を挿入し,ROS17/2.8細胞にリポフェクタミンを用いて導入し,TNF-αまたはGenisteinで刺激したところ,BSPのプロモーター約116塩基上流域を含むコンストラクトでTNF-αはルシフェラーゼ活性を抑制し,Genisteinは活性を上昇させた。BSPプロモーター約116塩基上流には,逆方向のCCAAT配列,cAMP応答配列(CRE),FGF2応答配列(FRE)および下垂体特異的転写化因子結合配列(pit-1)が存在する。CRE配列に変異を挿入したコンストラクトでは,TNF-αの効果が消失し,CCAAT配列に変異を挿入したコンストラクトでは,Genistein刺激後にルシフェラーゼ活性の上昇が認められなかった。以上の結果より,BSPプロモーター中のCRE配列およびCCAT配列を介してTNF-αおよびフラボノイドによる転写の調節が行われていると考えられた。 BSPプロモーター中のCREおよびCCAAT配列をアイソトープで標識し,ゲルシフトアッセイにて核内タンパク質との結合性の検索を行った結果,CRE配列とROS17/2.8核内タンパク質との複合体はTNF-アルファ刺激により減少し,CCaAT配列に結合する核内タンパク質はGenistein刺激後変化は求められなかった。
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