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2003 年度 実績報告書

歯周組織再生過程での骨シアロタンパク質と骨芽細胞内転写因子の発現変化

研究課題

研究課題/領域番号 14571989
研究機関日本大学

研究代表者

小方 頼昌  日本大学, 松戸歯学部, 教授 (90204065)

研究分担者 中尾 寿美  日本大学, 松戸歯学部, 助手 (20102577)
杉谷 博士  日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (20050114)
キーワード骨シアロタンパク質 / 細胞外マトリックス / 再生 / 転写因子 / 転写調節 / 遺伝子プロモータ- / 石灰化 / 組織特異性
研究概要

骨シアロタンパク質(Bone Sialoprotein ; BSP)はリン酸化および硫酸化を受けた糖タンパク質で,石灰化初期の骨芽細胞により分泌され,アパタイト結晶形成能を有し石灰化組織特異的に発現することなどから,初期の石灰化において重要な役割を果たすと考えられている。
本研究では,BSPの遺伝子発現機構を検索する目的で,骨芽細胞様細胞(UMR106細胞)を用い,リポポリサッカライド(LPS)およびProstaglandin E_2(PGE_2)のBSPの転写に対する影響を検索した。ノーザンブロットの結果,1μg/mlのLPS刺激(12時間)後にBSPmRNA量が減少した。UMR106細胞をPGE_2(3μM,12時間)にて刺激するとBSPmRNA量は増加した。ルシフェラーゼアッセイの結果,UMR106細胞に導入したpLUC3(-116〜+60塩基対)コンストラクトにおいて,LPS(1μg/ml)により転写活性が抑制された。PGE_2(3μM,12時間)刺激により,pLUC3の転写活性は上昇し,その効果は転写開始点から70塩基対上流に存在するcAMP応答配列(CRE)および90塩基対上流のFGF2応答配列(FRE)を介すると考えられた。PGE_2の作用はEP2およびEP4受容体を介し,細胞内情報伝達系は,Aキナーゼ,チロシンリン酸化,MAPキナーゼ系を介すると考えられた。
ゲルシフトアッセイの結果,FRE結合タンパク質が,LPS刺激12時間後に減少した。以上の結果より,FRE配列を介してLPSによる転写調節が行われていると考えられた。
PGE_2刺激によりCREおよびFRE結合核内タンパク質が増加し,CREに結合する転写因子はリン酸化CREBであることが明らかになった。
以上のことから,LPSおよびPGE2に応答するラットBSP遺伝子プロモーター中の応答配列および転写調節機構が明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] E.Shimizu-Sasaki et al.: "Identification of FGF2-response element in the rat bone sialoprotein gene promoter."Connective Tissue Research. 44(Suppl.1). 103-108 (2002)

  • [文献書誌] M.Segawa et al.: "Angiotensin II induces prostaglandin E2 release in human gingival fibroblasts."Life Science. 72. 795-803 (2003)

  • [文献書誌] Y.Ogata et al.: "Tyrosine phosphorylation is involved in Ca^<2+> entry in human gingival fibroblasts."Cell Biology International. 27. 689-693 (2003)

  • [文献書誌] 稲毛稔彦 ほか: "マウス顎顔面の発育におけるCbfa1およびBMP-4の局在について"日本歯学. 77. 141-149 (2003)

  • [文献書誌] 山之内文彦 ほか: "リポポリサッカライド(LPS)による骨シアロタンパク質の転写の調節"日本歯科保存学雑誌. 46・3. 366-373 (2003)

  • [文献書誌] H.Samoto et al.: "Prostaglandin E_2 stimulates bone sialoprotein (BSP) expression through cAMP and FGF2 response elements in the proximal promoter of the rat BSP gene."Journal of Biological Chemistry. 278. 28695-28667 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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