研究課題/領域番号 |
14571996
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
北島 満里子 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (60195261)
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研究分担者 |
山崎 真巳 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (70222370)
高山 廣光 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (90171561)
相見 則郎 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (30009170)
矢野 眞吾 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (90009655)
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キーワード | マチン科 / Gelsemium elegans / Gelsemium sempervirens / 毛状根 / アゼチジン環 / 系統解析 / 毒性 / 抗腫瘍活性 |
研究概要 |
マチン科Gelsemium属植物は有毒植物として知られ、また、通常のモノテルペノイドインドールアルカロイドと比べてより複雑で歪みのかかったインドール・オキシインドールアルカロイド類を含有している。本植物並びに含有アルカロイドに関して以下の研究を行った。 1.アジア大陸産系G. elegansと北米産系G. semperviresを用い、アルカロイド生産細胞・組織培養体の取得を試みた。HPLC分析からアルカロイド生産が認められないカルスを、生合成前駆体と考えられるトリプタミンやセコロガニン或いはエリシターを添加した培地において培養したが、含有成分に大きな変化は認められなかった。また、若葉並びにカルスヘアグロバクテリウム菌を感染させることにより毛状根の誘導を試みている。 2.上記2種の原植物含有成分の精査を行い、G. elegansより単離した既知化合物Gelsemoxonineの構造を訂正し、アゼチジン環を有する初めてのモノテルペノイドインドールアルカロイドであることを明らかとした。また、新規アルカロイド7種、新規イリドイド1種を単離した。新規イリドイドは通常のゲルセミウムアルカロイドにさらにモノテルペンが結合した特異なアルカロイドElegansamineの生合成前駆体と考えられる化合物である。 3.マチン科植物のDNAを用いた系統解析を行った。2種のGelsemium属植物、マチン、ホウライカズラの葉部よりDNAを抽出しRAPD分析を行った結果、G. elegansとG. sempervires間の遺伝的類似度が高くないこと、他の植物との遺伝的関係が遠いことが明らかとなった。 4.代表的なゲルセミウムアルカロイドの薬理活性評価を行った。Gelsenicine、14-Hydroxygelsenicineは急性毒性を示し、それが中枢性筋弛緩作用に起因することを明らかとした。また、ラット肝癌細胞H4-II-E-C3を用いて細胞毒性を評価した結果、Koumine、Humantenineに抗腫瘍薬シスプラチンを上回る腫瘍細胞殺傷作用が認められた。
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