研究課題/領域番号 |
14572002
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柳田 玲子 京都大学, 薬学研究科, 助手 (80239821)
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研究分担者 |
竹本 佳司 京都大学, 薬学研究科, 教授 (20227060)
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キーワード | インジウム / イオドアルケン / アトムトランスファーラジカル環化反応 / 過酸化水素 / イオドアルキン / 還元的ラジカル環化反応 / HIV-プロテアーゼ阻害剤 |
研究概要 |
1.ラジカル閉環反応に汎用されるハロアルケンを基質とし、一電子ラジカル還元剤と考えられているインジウム(In)による閉環反応を検討した。ハロアルケンを基質とした場合、以前報告したハロアルキンの環化と異なり、機器データの検討から成績体はIn(III)が結合した化合物と考えられた。しかし安定ではないためインジウムをはずす方向で検討し、過酸化水素によりInが除去可能なことを見出した。その後処理を行うことにより、興味深いことに、中間体が1級インジウム化合物の場合、生成物はハロゲン化合物であり、中間体が2級あるいは3級インジウム化合物の場合、生成物はアルコール体であることを初めて明らかとした。この反応の応用としてCC-1065やDuocarmysin関連化合物の合成を行った。 2.インジウムによるラジカル環化反応で得られる還元的5-exo-閉環体である二環性複素環化合物から誘導したアルコール体とデカヒドロイソキノリンやスルホンアミド誘導体を結合させることにより、代表的なHIVプロテアーゼ阻害剤サキナビルに匹敵する抗HIV活性を有する化合物を合成することができた。
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