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2003 年度 実績報告書

アセタールを利用する不斉合成反応:キラルオキソニウムイオン種の生成とその応用

研究課題

研究課題/領域番号 14572005
研究機関大阪大学

研究代表者

藤岡 弘道  大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (10173410)

キーワード(R, R)-ヒドロベンゾイン / 不斉非対称化 / ステニン / スキホスタチン / 鎖状ジエンアセタール / ドミノハロエーテル化反応 / 光学活性テトラヒドロフラン
研究概要

独自のエンアセタール類の分子内ハロエーテル化反応により生成するキラルなオキソニウムイオン種を利用する不斉識別手法の展開と応用を目的として、以下の研究を行った。まず、光学活性なジオールを組み込んだシクロヘキサジエンアセタールの分子内ハロエール化によるジエンの不斉非対称化の天然物合成への応用として、ステモナアルカロイド類の合成研究を行った。すでに天然のステニンとC-N結合の立体化学だけが異なるエピ体の合成に成功していたが、更にステニンの合成を目的として検討し、天然のステニン合成の最終段階にある。またその合成中間体であるシクロヘキセン誘導体から、N-SMase阻害作用を持ち、新しいタイプの鎮痛薬として期待されるスキホスタチンのエポキシシクロヘキセノン部のモデル化合物の合成にも成功していたが、さらに検討を加え、スキホスタチンのヒドロキシアミノ側鎖を加えたエポキシシクロヘキセノン部の合成に成功した。尚、これらは環状の対称ジエンの非対称化を鍵反応としている。そこで次に、この反応を鎖状の対称ジエンアセタールで行ったところ、2回の分子内ハロエーテル化反応(ドミノ型分子内ハロエーテル化反応)が二個のオレフィンに連続レて起こり、多連続不斉中心を持つテトラヒドロフラン環が立体選択的に得られた。得られた化合物は2個のハロゲン原子を含んでいたが、立体環境の差を利用して、選択的に一方のハロゲン置換炭素上で反応し、種々の求核種を導入することにも成功した。また還元的脱ハロエーテル化反応も一方のハロゲン部で選択的に起こすことが出来、天然の多く存在する光学活性テトラヒドロフラン天然物合成の足掛かりをつかむことができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 藤岡 弘道: "アセタールへの不斉アルキル化"実験化学講座 改訂5版. 19. 210-230 (2003)

  • [文献書誌] 藤岡 弘道: "電子求引性保護基(アシル基,スルホニル基)を持つエポキシアルコール類の酸転位反応:不斉四級炭素および不斉スピロ中心の構築と天然物合成への応用"有機合成化学協会誌. 61. 133-143 (2003)

  • [文献書誌] FUJIOKA, Hiromichi: "Unexpected Reaction of 2,3-Epoxysulfonates : Novel Formation of Two Enones with Reversed Substituents at α- and β-Position from the Single Isomer"Heterocycle. 62. 453-462 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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