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2002 年度 実績報告書

肝臓表面からの吸収を利用した抗癌剤や遺伝子医薬品の局所標的化

研究課題

研究課題/領域番号 14572033
研究機関長崎大学

研究代表者

西田 孝洋  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (20237704)

研究分担者 中嶋 幹郎  長崎大学, 医学部附属病院, 助教授 (00260737)
川上 茂  京都大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (20322307)
中村 純三  長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30115901)
栄田 敏之  神戸大学, 医学部附属病院, 助教授 (00304098)
キーワード肝臓 / 抗癌剤 / 肝疾患 / 腹腔内投与 / 吸収速度 / 薬物速度論
研究概要

臓器表面からの吸収を利用した局所標的化に基づいた新規投与法の、癌化学療法や遺伝子治療への臨床応用を究極の目的として、抗癌剤や遺伝子医薬品を肝臓表面投与後の臓器内分布と治療効果との関連性、および臨床応用に最適な製剤設計に主眼をおいて、特に抗癌薬5-fluorouracil (5-FU)を用いて、ラットにおける肝臓表面投与後の吸収性および吸収後の体内動態を検討した。
1.肝臓表面からの5-FUの吸収特性を明らかにし、抗癌薬の吸収速度を分子量などの物性より予測できる可能性を示唆した。さらに、肝臓表面投与30,60,120,180および360分後において、5-FUは投与部位の直下部分にのみ分布し、その他の部位では検出されなかった。したがって、肝臓表面投与により、5-FUを肝臓内の投与部位近傍へ選択的かつ持続的に送達できる可能性を示すことができた。
2.腹腔内投与された抗癌薬の吸収に対する各臓器の寄与を予測するために、肝臓、腎臓、胃漿膜、盲腸および小腸漿膜表面からの薬物吸収性を比較し、肝臓表面からの吸収の寄与を予測できた。
3.5-FUを肝臓表面投与した場合、血漿中5-FU濃度は約1μg/mlの低い値で、投与360分後まで持続的に推移し、肝臓以外の臓器への移行はほとんど認められなかった。したがって、5-FUを肝臓表面へ投与することにより、全身性の副作用を軽減できる可能性を示した。
4.肝血流を低下させる血管収縮薬epinephrineによる5-FUの肝臓内分布の制御を試みた。epinephrineの前処理投与でも、肝臓内の投与部位における5-FU濃度は、コントロールと比較して有意に高い値を示した。
以上、肝臓表面投与により、5-FUの体内および肝臓内動態を制御できる可能性が示唆され、肝癌の化学療法に有用な基礎的情報となることが期待され、現在遺伝子医薬品への応用を検討している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Koyo Nishida: "Absorption characteristics of model compounds with different molecular weights from the serosal caecal surface in rats"Journal of Pharmacy and Pharmacology. 54・7. 1005-1009 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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