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2002 年度 実績報告書

エクソサイトーシスにおけるリン脂質非対称分布の役割

研究課題

研究課題/領域番号 14572037
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

平嶋 尚英  名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (10192296)

キーワードエクソサイトーシス / 脂質スクランブラーゼ / リン脂質非対称分布 / フリップフロップ / マスト細胞 / PC12
研究概要

1.目的
エクソサイトーシス(開口放出)は、神経伝達物質、炎症性メディエーター、消化酵素などの放出に関わる重要な過程である。本研究では、エクソサイトーシスに大きな影響を与えると考えられる形質膜の膜成分、特に脂質二重層の両層間でのリン脂質の分布や動態がエクソサイトーシスに与える影饗を追究することを目的とする。
2.方法
脂質スクランブラーゼはリン脂質をその種類によらず脂質二重層の一方から他方の層へ移行させるカルシウム依存性酵素である。この酵素を細胞に過剰発現させたPC12及びマスト細胞株RBL-2H3細胞を用いて、リン脂質の脂質二重層間のリン脂質の非対称分布やフリップフロップ運動が亢進した系を確立した。これらの細胞を刺激してスクランブラーゼの活性化とエクソサイトーシスを同時に誘導し、エクソサイトーシスがどのように変化するかを調べた。細胞の刺激はPC12細胞においては高カリウム刺激、RBL-2H3細胞においては抗原刺激を用いた。エクソサイトーシス活性はそれぞれ細胞外に放出されたATP量とβ-hexosaminidaseを定量することによって行なった。
3.結果と考察
どちらの細胞の場合も、スクランブラーゼの過剰発現により、2価カチオンで細胞膜におけるリン脂質の非対称性が崩壊することが明らかとなった。このような細胞でエクソサイトーシスを誘導すると、エクソサイトーシスが顕著に抑制されるのが観察された。このことはエクソサイトーシスでは脂質成分の非対称分布が重要な役割をしていることを示唆するまた、スクランブラーゼの過剰発現によりエクソサイトーシスが阻害されたことから、エクソサイトーシスにおいてスクランブラーゼが積極的な働きをしている可能性は低いと判断された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Naoto Kato: "Transbilayer asymmetry of phospholipids in the plasma membrane regulates exocytotic release in mast cells"Biochemistry, USA. 41. 8068-7084 (2002)

  • [文献書誌] Ari Noguchi: "Cationic cholesterol promotes gene transfection using the unclear localization signal in protamine"Pharm. Res.. 19. 933-938 (2002)

  • [文献書誌] Ari Noguchi: "Activation of receptor tyrosine kinases promotes gene transfection in rat neuronal PC12 cells by cationic liposomes"Neurosci. Lett.. 325. 29-32 (2002)

  • [文献書誌] Seiji Hasegawa: "Comparative study of transfection efficiency of cationic cholesterols mediated by liposomes-based gene delivery"Bioorg. Med. Chem. Lett.. 12. 1299-1302 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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