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2002 年度 実績報告書

アポリポタンパク質Eの脂質及び細胞受容体結合の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 14572045
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

斎藤 博幸  国立医薬品食品衛生研究所, 大阪支所・薬品試験部, 研究員 (60300919)

キーワードアポリポタンパク質E / 遺伝分子多型 / リポタンパク質 / 超高感度マイクロカロリメータ / 脂質膜 / 蛍光プローブ / 国際研究者交流(米国)
研究概要

大腸菌発現系によって得た3種類のアポE遺伝分子多型、アポE2、E3、E4の脂質膜結合性について、リポタンパク様脂質粒子に対する結合平衡パラメータを超遠心分離法によって評価したところ、アポE4が他の多型に比べて脂質親和性が高いことが明らかとなった。さらに超高感度マイクロカロリメータによって結合エンタルピーを求め、脂質結合の全熱力学的パラメータを解析した結果、アポEの脂質結合はいずれの多型においてもエンタルピー駆動型であった。アポE4の特異なリポタンパク粒子間分布(アポE2、E3はHDL上に多く分布するのに対しアポE4はVLDLに多く存在する)には、N末ドメイン61番目のアルギニンとC末ドメイン255番目のグルタミン酸との間での塩橋形成が関与していることが指摘されている。そこで、255番目のグルタミン酸をアラニンに改変した塩橋形成のないアポE4変異体を作成し、脂質結合特性を比較した。その結果、アポE4の強い脂質親和性には塩橋形成が重要であることが明らかとなった。またC末ドメインの両親媒性ヘリックスの長さがアポE4の脂質結合特異性を決定しているという従来からの仮説を検証するため、267番目のプロリンをアラニンに改変することでヘリックスの長さの異なるアポE3変異体を作製した。この変異体の脂質結合性を野生型と比較した結果、アポE4の脂質結合特異性にはヘリックス長は関与しないと結論された。以上の結果から、アポE4がVLDL上に多く分布するのは、ドメイン間での塩橋形成を通してC末脂質結合部位の機能が増強されたためと考えられた。実際、疎水性蛍光プローブの結合性の比較から、アポE4のC末ドメインの構造がアポE3とは異なることが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 斎藤 博幸: "膜構造によるアポリポタンパク質の機能制御"膜(Membrane). 27(6). 317-323 (2002)

  • [文献書誌] Shin-ya Morita: "Effects of sphingomyelin on apolipoprotein E-and lipoprotein lipase-mediated cell uptake of lipid particles"Biochimica et Biophysica Acta. 1631(2). 169-176 (2003)

  • [文献書誌] Hiroyuki Saito: "Lipid Emulsions : Formation, Stability, and Metabolism"Encyclopedia of Surface and Colloid Science. 3087-3097 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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