研究課題/領域番号 |
14572056
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山本 経之 九州大学, 薬学研究院, 助教授 (20091332)
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研究分担者 |
杉浦 隆之 帝京大学, 薬学部, 教授 (40130009)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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キーワード | メタンフェタミン / 薬物自己投与実験法 / 薬物探索行動 / 薬物関連刺激 / priming injection / CB1受容体 / EP3受容体 / アラキドン酸カスケード |
研究概要 |
【methamphetamine(MAP)】 1)MAP探索行動; MAPの少量投与(priming)及びMAP関連刺激(音・光)により、MAP探索行動が出現した。MAPprimingによる探索行動は、カンナビノイド(CB)受容体作動薬THCにより増強され、CB1受容体拮抗薬SR141716A(SR)で拮抗された。さらに、COX阻害薬diclofenac(DIC)は、MAPpriming及びMAP関連刺激による探索行動を抑制した。また、MAPpriming及びMAP関連刺激による探索行動は、MAP休薬時でのTHCの投与によりいずれも抑制された。MAPpriming及びMAP関連刺激による探索行動は、いずれも扁桃体基底外側核(BLA)への局所麻酔薬lidocaine及びSR注入により抑制された。 2)内因性CBである2-AGの変動; 10日間のMAP自己投与後のラット全脳2-AG量は、無処置群に比べ増加していた。一方、MAPからsaline摂取に置換後の5日目では、逆に減少傾向を示した。 【cocaine】 cocaine関連刺激によりcocaine探索行動が誘発され、この行動はSR及びDICにより抑制された。CB1受容体作動薬HU210の投与によりcocaine探索行動が誘発され、この行動もDICにより抑制された。さらに、探索行動出現時、アラキドン酸カスケード(AAC)の最終産物であるprostaglandin E_2 (PGE_2)量が側坐核内で増加していた。 以上より、1)MAP/cocaine探索行動は脳内CB1受容体を介したAACの活性化に基づく事、2)MAP探索行動発現の責任部位の一つはBLAである事が明らかとなった。さらに3)本研究の成果は薬物依存症の発現機序に迫るだけでなく、諸種精神疾患の成因として脳内報酬系の破綻が一部関与している可能性を示唆するものである。
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