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2002 年度 実績報告書

神経栄養因子としてのGLP-1の役割の解明と神経変性疾患への応用

研究課題

研究課題/領域番号 14572074
研究機関東京理科大学

研究代表者

岡 淳一郎  東京理科大学, 薬学部, 教授 (40134613)

キーワード神経栄養因子 / GLP-1 / BDNF / 海馬神経 / 運動神経 / 神経突起伸長 / 神経生存率 / 初代培養
研究概要

1 ラット胎児の海馬では内在性GLP-1が常時産生されており、神経突起伸長に関与していることを既に報告している。本研究では、18日目のラット胎児から単離・培養した海馬神経細胞を用いて、既知の神経栄養因子の1つであるBDNFとの相互作用について検討した。神経突起伸長は、GLP-1受容体拮抗薬exemdin(5-39)により抑制され、一方、BDNFにより増強された。両者を併用した場合、突起伸長はcontrolレベルと同程度であった。Exendin(5-39)により細胞当りの神経突起数が有意に減少し、これはBDNFの併用により改善された。神経突起の分枝数がBDNFにより増加し、これはexendin(5-39)の併用で抑制された。細胞内タンパク質ERK-2、Ras、Sos1はBDNFで増加傾向がみられ、exendin(5-39)により減少傾向がみられた。以上より、内在性GLP-1が神経突起の長さだけでなく、神経突起の発生や分枝にも影響すること、内在性GLP-1とBDNFが、Sos以下のMAPキナーゼ系において細胞内シグナル伝達経路を共有して神経栄養因子様作用を示すこと、さらにこの培養海馬神経ではBDNFよりGLP-1が主に機能している可能性が示された。
2 同様に培養脊髄神経細胞を用いて、GLP-1受容体拮抗薬exendin(5-39)の作用を調べた。まず、抗コリンアセチルトランスフェラーゼ抗体による免疫染色の結果、培養細胞のうち約26%がアセチルコリン産生細胞すなわち運動神経細胞であることが示された。1μM exendin(5-39)により、細胞生存率には影響せずに神経突起の長さが約34%抑制され、海馬と同様の神経突起伸長抑制作用がみられたことから、発生期ではGLP-1は神経栄養因子であり、成熟後の脳損傷時にも同様の機能を示す可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Hashimoto, M., Hossain, Md.S., Shimada, T., Sugioka, K., Yamasaki, H., Fujii, Y., Ishibashi, Y., Oka, J.-I., Shido, O: "Docosahexaenoic acid provides protection from impairment of learning ability in Alzheimer's disease model rats"Journal of Neurochemistry. 81・5. 1084-1091 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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