研究課題
基盤研究(C)
研究課題について毎年大きく達成目標を立て実験を行った。1 内因性神経ペプチドのendomorphin-1の行動特性および体内動態について検討した。scopolamineを単回あるいは反復投与して空間記憶を障害させたマウスにendomorphin-1を単回あるいは反復投与しても有意な変化は認められなかったことから、endomorphin-1はコリン作動神経系の機能障害による空間記憶障害には影響しないことが示唆された。2 オピオイドによる認知症モデル動物の作製に関する研究の一環として遺伝子改変動物を利用して短期および長期記憶におけるμ-オピオイド受容体の役割を検討した。通常μ-オピオイド受容体は学習記憶機構を調節していない可能性が示唆された。3.Aβ25-35誘発学習記憶障害モデル動物に対するg-オピオイド受容体作動薬の作用およびグルタミン酸作動性神経との関与について検討した。κ-オピオイド受容体作動薬は学習記憶障害モデルに対し治療的効果を有しておりその機構にはグルタミン酸神経系を介している可能性が示唆された。4.天然物由来成分のオピオイド神経調節作用について検索した。フェニルプロパノイド類は一般行動に影響を与えることなく脳機能障害を改善する効果が期待できることが示唆された。医薬品は安定供給という点から考えると、天然資源の有効利用や工業的生産効率が高くなければならない。今回用いた化合物がオピオイド神経系を調節し近い将来認知症の改善薬として上市されることを願ってやまない。
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