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2002 年度 実績報告書

脳グリアにおける細胞の極性・運動と変性蛋白質の貪食・除去の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14572082
研究機関京都薬科大学

研究代表者

北村 佳久  京都薬科大学, 薬学部・病態生理学, 助教授 (60195295)

キーワードミクログリア / アストロサイト / アルツハイマー病 / アミロイドβクリアランス / 低分子量GTP結合蛋白質 / アクチン重合 / 形態変化 / ファゴサイトーシス
研究概要

アルツハイマー病の特徴的病変の一つに老人斑の形成がある。老人斑の主成分は、細胞外で線維化したアミロイドβ蛋白質(Aβ)の凝集体および集積した活性化ミクログリアおよびアストロサイトである。私は、この活性化ミクログリアの集積はAβの貪食・除去に関与するという作業仮説をたて実験を行った。培養したラットおよびマウス脳より調製したミクログリアの純粋培養系において、Aβ1-42(Aβ42)はAβ40よりも低濃度でミクログリアに貪食され、その後分解された。また、アルツハイマー病の老人斑に熱ショック蛋白質90(HSP90)がミクログリアと伴に集積していること、精製したヒトHSP90蛋白質はAβ42と結合することをを明らかにした。さらに、HSP90はミクログリアにおけるAβ42の貪食機能およびクリアランス機能を促進することを発見した。このHSP90によるミクログリアの活性化機構を、Toll-like receptor-4 (TLR4)遺伝子変異マウスから調製したミクログリアを用いて解析した。その結果、HSP90はTLR4を介して、NF-κBおよびp38MAPキナーゼを活性化させることが示唆された。これらの結果から、アルツハイマー病の治療戦略の一つとして、ミクログリアおよびHSP90を用いた方法が考えられる。
現在、ミクログリアのAβ42貪食機構を明らかにするため、細胞の極性・.運動の調節を司るアクチン重合について解析中である。予備的実験であるが、Rhoファミリー低分子量GTP蛋白質のRac1がミクログリアの細胞運動・形態変化およびAβ42の貪食に関与する結果を得ている。今後、その詳細なメカニズムを解析していく予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Jun-ichi Kakimura et al.: "Microglial activation and amyloid-β clearance induced by exogenous heat-shock proteins"FASEB Journal. 16・6. 601-603 (2002)

  • [文献書誌] Jun-ichi Kakimura et al.: "Possible involvement of ER chaperone Grp78 on reduced formation of amyloid-β deposits"Annals New York Academy of Sciences. 977. 327-332 (2002)

  • [文献書誌] Kazuyuki Takata et al.: "Possible protective mechanisms of heme oxygenase-1 in the brain"Annals New York Academy of Sciences. 977. 501-506 (2002)

  • [文献書誌] Yoshihisa Kitamura et al.: "Stress proteins and glial functions : possible therapeutic targets for neurodegenerative disorders"Pharmacoulogy and Therapeutics. 97・1. 35-53 (2003)

  • [文献書誌] Kazuyuki Takata et al.: "Role of high mobility group protein-1 (HMG-1) in amyloid-β homeostasis"Biochem.Biophys.Res.Commun.. (印刷中). (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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