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2004 年度 実績報告書

ブフォリン2の効率的膜透過機構の解明と細胞内薬物導入ベクターとしての応用

研究課題

研究課題/領域番号 14572091
研究機関京都大学

研究代表者

松崎 勝巳  京都大学, 薬学研究科, 教授 (00201773)

キーワード抗菌性ペプチド / ブフォリン2 / 膜透過 / 静電反発 / ペプチド-脂質超分子複合体ポア / マガイニン2
研究概要

アフリカツメガエル由来のマガイニン2に代表されるように、多くの抗菌性ペプチドは細菌の細胞膜を標的とし、その透過性を亢進させることによって殺菌効果を発揮する。しかし、アジアヒキガエル由来のブフォリン2は、ほとんど膜傷害を引き起こすことなく効率的に膜を透過し、細胞内に容易に進入してDNAやRNAと結合し抗菌力を発揮する。そこで、このブフォリン2(TRSSRAGLQFPVGRVHRLLRK)の効率的な膜透過の機構解明のため、F11W誘導体を用い、蛍光を利用してリポソームとの相互作用を調べた。リポソーム膜の脂質組成を従来の卵黄ホスファチジルグリセロール/卵黄ホスファチジルコリン(1:1)から、より負電荷の多い卵黄ホスファチジルグリセロール100%に変えたところ、マガイニン2同様に、リポソームに内封した蛍光色素カルセインの漏出とNBDラベル脂質のジチオナイト消光反応を利用して評価した脂質のフリップフロップがカップリングして観測された。また、トリプシン内封リポソームを用いて評価したペプチド自身の膜透過効率は、この脂質組成変化に伴い減少した。また、P11A置換によりブフォリン2の性質がマガイニン様に変化すること、膜透過には膜に誘起される正の曲率が関与すること、およびNMRによって決定されたブフォリン2のコンフォメーションを総合的に考察し、「ブフォリン2は基本的にマガイニン2同様のペプチド脂質-超分子複合体ポアを形成するがブフォリン2の場合、短い両親媒性ヘリックス(5-21)に多くの正電荷が集中するため、強い静電反発によってポアが著しく不安定化するため、膜損傷なく効率的に膜透過できる」と結論づけた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Membrane translocation mechanism of the antimicrobial peptide buforin 22004

    • 著者名/発表者名
      S, Kobayashi et al.
    • 雑誌名

      Biochemistry 43・49

      ページ: 15610-15616

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Role of positional hydrophobicity in the leishmanicidal activity of magainin 22004

    • 著者名/発表者名
      E.Guerrero et al.
    • 雑誌名

      Antimicrob.Agents Chemother. 48・8

      ページ: 2980-2986

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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