研究課題/領域番号 |
14572093
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
根岸 和雄 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 助教授 (70116490)
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研究分担者 |
大塚 智恵 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 助手 (60253001)
豊田 哲也 久留米大学, 医学部, 教授 (00197972)
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キーワード | ヌクレオチドアナログ / エラーカタストロフィ / 複製エラー / 両義的塩基対形成 / RNAウイルス / レトロウイルス / RNAポリメラーゼ / HPLC |
研究概要 |
1.ヌクレオシドアナログ、リボヌクレオチド(rNTP)アナログの合成。N^4-ヒドロキシシチジントリリン酸、N^4-メトキシシチジントリリン酸、並びにN^4-メチルシチジントリリン酸の合成法を確立し、信頼できる標品を得た。これを用いて、T3ファージポリメラーゼを用いた取り込みを調べた。その結果、ヒドロキシシチジンとメトキシシチジンはウリジンの代わりにRNA合成系に加えた時にRNA合成が起こることがわかった。一方、メチルシチジンはグアノシンの相手としてのみRNA鎖の伸長を促進する。生成したRNAを酵素分解してHPLCで分析し、確かにこれらアナログが取り込まれていることを証明した。 2.ヒトRNAポリメラーゼとHIV逆転写酵素と用いたモデル系の研究に関しては、ヒトRNAポリメラーゼの利用について検討中である。現在のところは、ファージRNAポリメラーゼとAMVウイルス逆転写酵素使ったモデル系で上記のトリリン酸体の変異誘導能を確認中である。 3.種々のアナログの抗エイズウイルス効果。有望な新規アナログを見いだし、抗エイズウイルス作用を調べる予定である。 4.RNAウイルス、およびそのRNAポリメラーゼに対する作用。ポリオウイルスとB型肝炎ウイルス由来ポリメラーゼによるトリリン酸体の取り込みを解析している。 5.NTP-キトサン複合体の調製法の研究。トリリン酸体を固定化した場合の安定性に問題があり、まだ解決していない。トリリン酸体の安定な固定法の確立を目指し、引き続き検討中である。
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