研究概要 |
新規糖修飾2分岐シクロデキストリン(CD)類の合成およびその機能について検討した. 1.グルコサミン残基を含む糖鎖修飾β-シクロデキストリン類の調製(H16年8月、第18回キチン・キトサンシンポジウムで発表).ガラクトシル-N-アセチルグルコサミニル(Gal-GlcNAc)およGlcNAc残基を有するオリゴ糖鎖を結合させた,7種の新規複合糖質糖鎖修飾βCD類の酵素合成を行った.目的物であるこれらのβCD類は,MSおよびNMRを測定することにより構造を確認した.Biosci.Biotechnol.Biochem.,69(2005)4月号に掲載予定. 2.フコース置換β-シクロデキストリン類に関する研究:薬物包接能を有するシクロデキストリン(CD)類に,癌の転移,卵細胞表面,血液型等を決める糖鎖に含まれるフコースを結合させたCD類は,DDSへの応用が期待される.そこで,CDのグルコース単位の6位に,L-フコースを2個結合させた2置換位置異性体6^1,6^2-,6^1,6^3-,6^1,6^4-O-(L-fucopyranosyl)-βCDsと,1置換体の6-O-(L-fuco-pyranosyl)-βCDを化学合成により得た.MSおよびNMRを測定することによりこれらの構造を確認し,また,溶解性の検討および表面プラズモン共鳴法を用いて,レクチンと相互作用を比較して行った.この研究に関して,12^<th> International cyclodextrin Symposium(5月,France),22^<nd> International Carbohydrate Syrnposiurn(7月,UK)で発表した.
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