研究概要 |
1.フコース2置換β-シクロデキストリン類の調製 薬物包接能を有するシクロデキストリン(CD)類に,癌の転移,卵細胞表面,血液型等を決める糖鎖に含まれるフコースを結合させたCD類は,薬物送達システム(DDS)への応用が期待される.そこで,クラスター効果を考慮し,CDのグルコース単位の6位にL-フコースを2個結合させた2置換位置異性体6^1,6^2-,6^1,6^3-,6^1,6^4-O-(L-fucopyranosyl)-βCDsと共に,1置換体の6-O-(L-fucopyranosyl)-βCDを化学合成により得た.目的物である3種のこれらのフコシル置換βCD類は,MSおよびNMRを測定することにより構造を確認した. また、2置換位置異性体についての検討は、表面プラズモン共鳴法を用いて、レクチンとの相互作用を比較して行った。 2.複合糖質オリゴ糖の合成 ジャックビーン由来のN-アセチルヘキソサミダーゼの縮合反応を用いて、βCDとアセチルグルコサミン(GlcNAc)からGlcNAc(β1→6)-βCDを合成した。ついで、Bacillus circulans由来のβ-ガラクトシダーゼの転移反応を用いて、目的のオリゴ糖、Gal(β1→4)-GlcNAc(β1→6)-βCD-Glc_3を得た。ついで、Bacillus circulans由来のβ-ガラクトシダーゼの転移反応を用いて、目的のオリゴ糖、Gal(β1→4)-GlcNAc(β1→6)-βCD-Glc_3を得た。 今後、得られた新規分岐CD類の生理作用について検討する予定である。
|