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2002 年度 実績報告書

淡水産ラン藻が産生する肝臓毒、マイクロシスチンの生理活性発現に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14572115
研究機関名城大学

研究代表者

原田 健一  名城大学, 薬学部, 教授 (90103267)

研究分担者 河井 一明  名城大学, 薬学部, 助手 (60161262)
キーワードマイクロシスチン / オカダ酸 / アフィニティーカラム / プロテインフォスファターゼ / DNAマイクロアレイ / 酸化ストレス / 網羅的解析 / 親和性タンパク質
研究概要

本年度の研究実施計画に従って実験を行い、以下の結果を得た。
1.マイクロシスチンをリガンドとするアフィニティーカラムの調製
毒性を保持していることが確認されているマイクロシスチンのシステイン抱合体を調製し、そのシステインの遊離のアミノ基を用いてNHS活性化樹脂に固定化することによりアフィニティーカラムを調製した。
2.上述のアフィニティーカラムを用いて肝臓中に存在するマイクロシスチン親和性タンパク質群の網羅的解析
マウス肝ホモジネートを上述のアフイニティーカラムに供し、得られたマイクロシスチン親和性タンパク質群を二次元電気泳動およびMALDI-TOFMSを用いたペプチドマスフィンガープリントにより網羅的に同定した。また、同様のプロティンフォスファターゼ阻害活性を有するが、肝毒性を示さないオカダ酸をあらかじめ反応させたマウス肝ホモジネートをアフィニティカラムに供した結果、プロテインフォスファターゼ1とその核依存性調節サブユニットであるNIPP1との複合体はカラムヘの親和性を残しており、マイクロシスチンへの特異的親和性が示唆された。
3.DNAマイクロアレイを用いてマイクロシスチンおよびオカダ酸投与による肝臓中の遺伝子発現状況の網羅的解析
マイクロシスチン投与マウスの肝臓からRNAを抽出しDNAマイクロアレイにより観察したが、肝障害が非常に急速に進行し有意な実験結果を得るには至らなかった。
4.マイクロシスチンおよびオカダ酸による酸化ストレスの比較検討
マイクロシスチンによるマウス初代培養肝細胞に対する酸化ストレスの観察を、蛍光プローブDCFH-DAを用いて行ったところ、100nMのマイクロシスチンを10分処理したとき、核の周辺に酸化ストレスに基づく蛍光がみられた。一方、オカダ酸は肝細胞に対して酸化ストレスを示さなかった。マイクロシスチンによる酸化ストレスは比較的短時間にみられ、マイクロシスチンの毒性が肝臓に対して臓器特異性があることとの関連性に興味が持たれる。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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