研究課題/領域番号 |
14572128
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野口 善令 京都大学, 医学研究科, 助手 (30293872)
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研究分担者 |
松井 邦彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (80314201)
福井 次矢 京都大学, 医学研究科, 教授 (50208930)
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キーワード | 臨床疫学的診断思考能力 / 仮想症例シナリオ / 検査特性 / 検査前確率 / 検査後確率 / 行動閾値 |
研究概要 |
本研究は、臨床医の臨床診断能力を、(1)検査特性(感度、特異度)に関する知識の有無、(2)病歴から検査前確率を推定する能力、(3)前2者に基づいた検査後確率を計算する能力(ベイズの定理を応用する能力)、の3つの観点から評価し、(4)臨床医によって推定された検査後確率と臨床行動との関連を調査することを目的とする。 I 質問票の作成 i 仮想症例シナリオは、前回の科研費研究「医師の臨床疫学的診断思考能力の評価指標の開発」で作成した胸痛シナリオを使用した。シナリオはDiamondらの文献に基づいて典型的狭心痛、非典型的狭心痛、非狭心痛(冠動脈疾患の検査前確率がそれぞれ90%、46%、5%)に相当する症状を記述した。 ii 測定すべき変数として、(1)運動負荷心電図の検査特性、(2)各症例シナリオの検査前確率、(3)各症例シナリオの検査後確率(陽性予測値、陰性予測値)、(4)トレッドミル運動負荷心電図検査、心血管造影検査、狭心症の内科的治療(亜硝酸薬またはβ遮断薬の内服)を開始する行動閾値(臨床行動を開始する冠動脈疾患の蓋然性確率)を選択した。 iii 回答用紙のフォーマットとして、(1)Visual Analogue Scale (VAS)、(2)確率値書き込み、(3)10パーセンタイル毎の確率値選択、の3種類を作成し10人程度の医師に対し、質問票を用いた予備調査を行った。回答に対する心理的抵抗がもっとも弱かったVASフォーマットを回答用紙として採用した。 II 質問票によるアンケート調査の実施 全国の教育指定病院(国公立大学、私立大学、国公立病院、民間病院)から、施設長の参加の同意が得られた10施設を選定して調査対象施設とした。調査対象者は、平成15年3月の時点で、それぞれの施設に在籍している1-2年次の内科系研修医、および卒後5年前後の内科系若手医師とした。作成した質問票を使用して平成15年3月14日にアンケート調査を行い約250名から回答を得た。
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