研究課題/領域番号 |
14572132
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
等々力 英美 琉球大学, 医学部, 助教授 (60175479)
|
研究分担者 |
鄭 奎城 琉球大学, 医学部, 助手 (90315466)
小川 寿美子 琉球大学, 医学部, 助手 (20244303)
有泉 誠 琉球大学, 医学部, 教授 (90143883)
|
キーワード | GHQ / PHW文書 / 沖縄 / 政策決定 / 政策評価 / 栄養転換 / データベース |
研究概要 |
わが国の保健医療政策のあり方を考える上で、政策決定の評価は重要である。政策評価の問題は多くの場で取り上げられているが、その一方で、実際に有効に適用できる評価手法の開発は余り進んでいない。この理由のひとつには、過去における政策決定の検証が十分でなかったことが考えられる。本研究は、戦後初期の沖縄を事例にして、米国の統治から日本復帰という変遷のうちに政策過程がどのように変わったかを明らかにし、その過程において公衆行政の政策化において意志決定がどのように行われたのかを検証することを目的とする。 1)GHQ沖縄文書のデータベースの項目を拡充し、米国公文書館(メリーランド)において資料の不備な文書の補充と、他に必要とされる情報を追加収集した。 2)GHQ沖縄文書のデータベースの栄養・食料政策の事例解析を行なった。GHQ文書の全容を明らかにする目的で、文書の内容について数量的解析を行なった。具体的には、1945年から1952年までカバーされているGHQ文書を、各年度別の文書内容別推移、文書種類別推移、発信者、受信者別推移などについて分析・整理した。政策決定に至る文書は、多種多様であるが、文書中の政策決定の内容と関連の調査統計資料などが書き込まれていることから、これらを整理して栄養・食料政策の決定に至る政策担当者の意志決定の根拠は何に由来したかを事例ごとに分析整理を行なった。抽出された文書は原則として要約を作成し、さらに重要文書については訳出を行なった。結果のまとめは、当時の沖縄側の資料と比較検討を行い、データの妥当性の検討を行った上で、社会的情勢の時間軸上にまとめた。 3)戦後の沖縄と全国の学童の身長体重データのコホート分析の結果と脂肪摂取や食糧輸入のデータの比較を行ない,沖縄における栄養転換モデルについて社会経済的要因が強く関連していることを見出した.さらに、栄養転換と米国の沖縄における栄養食糧政策決定の機序について明らかにした。
|