研究課題/領域番号 |
14572133
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
行岡 秀和 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (80117986)
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研究分担者 |
栗田 聡 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (00254417)
圓藤 吟史 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20160393)
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キーワード | 救急搬送 / 病院外心停止 / 長期予後 / 心室細動 / 人工呼吸期間 |
研究概要 |
救急搬送の質的問題を検討するには、最重症患者の搬送の実態を検討することが必要である。病院外心停止症例は、もっとも時間的、空間的要因に影響を受けるとされるが、長期予後との関係を見たものは、ほとんどない。今回、当院に搬送された過去5年間の心停止症例を詳細に検討しその長期予後との関係を検討した 心室細動や心室頻拍で発見された患者の予後は無脈性電気活動や心静止で発見された患者の予後よりもよく、入院後1週間目に意識状態が改善すれば、社会復帰が可能である事がわかった。このような患者は人工呼吸器間が短く、医療経済の面からも意義があると考えられる。 一方、入院後1週間目の意識状態が極めて悪い患者は、長期予後も悪く人工呼吸期間が長期化することもわかった。これらの患者は、医療費がかかり、かつほとんどの症例が植物状態になるかあるいは脳死の状態になるので、家族の負担はきわめて大きいと推察される。今後、入院後1週間目の予後判定が、医学的、社会的に妥当かどうかを、検討する必要がある。また、入院後1週間目の予後に、早期除細動、バイスタンダーCPR、気管挿管、薬剤投与などがどのように関係しているか、検討する必要がある。 大阪市内では、おおむね5分程度で救急車が現場に到着する体制が確立しているが、その後のプレホスピタルケア、ホスピタルケアは、今後の課題である。気管挿管、薬剤投与などのエビデンスに基ずく効果の検討がのぞまれる。
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