研究概要 |
1.臨床検体における抗癌剤標的分子の解析 膜輸送体:固形腫瘍における抗癌剤(シスプラチン)感受性に関与した銅の膜輸送体であるATP7Bの発現をMDR1,MRP1,2,BCRP,LRPの発現と比較検討を行った。その結果、検討を行った乳癌(Jpn J Cancer Res,2002,93),卵巣癌(Int J Cancer,2002,10,J Clin Oncology, Revise),口腔扁平上皮癌(Oral Oncology,2003,39),胃癌(Cancer Lett,2003,101),食道癌(Int J mol Med,2003,11)において正常組織と比較して癌細胞において強発現していた。さらに、卵巣癌、食道癌においてはシスプラチンを基礎とした癌化学療法の効果と相関が認められた。乳癌におけるウリジンホスホリラーゼの発現をFUの標的分子として知られているチミジンホスホリラーゼの発現と比較した。チミジンホスホリラーゼの発現よりむしろウリジンホスホリラーゼのほうが予後に関与していた(Int, J Cancer,2002,10)。抗癌剤の標的分子XPG(Nat Med,2001)の臨床献体において遺伝子変異および抗癌剤との感受性を検討した。その結果は投稿準備中である。現在これらの分子の発現を転移巣において検討中である。 2.上記遺伝子のトランスフェクタントを作成し、現在、抗癌剤感受性との関連を検討中である。
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