研究課題/領域番号 |
14572152
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
東 洋 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (20134736)
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研究分担者 |
増田 均 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (60323680)
土井 庄三郎 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (80262195)
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キーワード | L-Arginine / Arginase / Nitric oxide synthase / DDAH / Nitric oxide / Polyamine / Proline / Vascular remodeling |
研究概要 |
Arginase IIとnitric oxide synthase (NOS)は共にL-arginineを基質とし、前者はL-ornithineとureaの生合成を、一方、後者はNOとL-citrullineの生合成をそれぞれ媒介する。L-ornithineはさらに、polyamineとprolineへと代謝されて血管リモデリング過程に関与する。今年度は、52例の患者から摘出された52例の子宮動脈内皮細胞と平滑筋層のaginase活性を比較し、血管リモデリング過程との関連性を検討した。52例の子宮動脈の内、19例は組織学的に正常であったが、残り33例では明らかな内膜肥厚が観察された。肥厚血管においては、内皮細胞と平滑筋層でのarginase活性上昇、NO産生低下、内因性NOS阻害因子の蓄積、内因性NOS阻害因子分解酵素dimethylarginine dimethylaminohydrolase(DDAH)活性は低下していたが、NOS活性それ自体には変化がなかった。以上の事実から、(1)内因性NOS阻害因子の蓄積とarginase産生低下を招き、内膜肥厚に至ること、(2)DDAH活性が低下するために内因性NOS阻害因子性上昇のためにNOが蓄積すること、(3)ariginase活性が上昇するために、おそらくはpolyamineとproline産生は亢進し、このことも内膜肥厚の誘発・進展に寄与することが示唆された。詳細については今後のさらなる検討が必要である。
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