研究課題/領域番号 |
14572152
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
東 洋 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (20134736)
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研究分担者 |
増田 均 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (60323680)
土井 庄三郎 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (80262195)
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キーワード | NO synthase / Arginase / Endogenous NOS inhibitors / DDAH / Ornithine / ODC / OAT / Polyamine |
研究概要 |
内皮剥離術を施行したウサギ頸動脈を用い、血管壁再構築(リモデリング)機序について検討した。このモデルでは剥離術後6週間で血管壁再構築(リモデリング)過程は終了するが、本年度は施術後のごく初期の変化を中心に検討した。内皮剥離術施行1週間後に内皮細胞の部分的再生(剥離面の約28%を被覆)と軽度ながら明らかな内膜肥厚が観察され、再生内皮細胞内NO合成酵素(NOS)活性上昇、arginase活性上昇、dimethylarginine dimethylaminohydrolase(DDAH)活性低下、内因性NOS阻害因子蓄積、L-arginine含量低下ならびにNO産生低下を伴っていた。NOS活性上昇にもかかわらず、DDAH活性低下に伴う内因性NOS阻害因子の蓄積とarginase活性の著しい上昇の結果、NO産生が低下し、そのために内膜肥厚が惹起される可能性が高い。NO産生低下はL-arginineからNOが産生される際の中間生成物、hydroxyarginine産生低下を伴う。Hydroxyarginineはarginase活性を抑制的に制御しており、したがってhydroxyarginine産生低下がarginase活性上昇を招く一因と考えられる。 Arginase活性化以降の過程、すなわちL-ornithine、polyamineならびにproline産生系とこれらの産生に関わるornithine decarboxylase(ODC)ならびにornithine aminotransferase(OAT)活性の変動の有無ならびに高血糖状態おける変動についても解析を続行している。
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