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2003 年度 実績報告書

神経細胞モデルにおける接着斑キナーゼ遺伝子導入による細胞死と神経突起伸長の制御

研究課題

研究課題/領域番号 14572162
研究機関共立薬科大学

研究代表者

横田 恵理子  共立薬科大学, 薬学部, 助手 (10222457)

研究分担者 笠原 忠  共立薬科大学, 薬学部, 教授 (60049096)
キーワード神経細胞死 / 接着斑キナーゼ / 酸化ストレス / 小胞体ストレス / カスパーゼ
研究概要

ラット副腎髄質褐色細胞腫由来PC12細胞に、接着斑キナーゼ(FAK)ならびにその変異型遺伝子(Y397F, K454R,またはY925F)を導入した過剰発現細胞を作製し、神経栄養因子で神経細胞様に分化誘導した後、細胞死に対する感受性を検討した。
1.FAK遺伝子を導入した過剰発現細胞では、ロテノンや高濃度ドーパミンなどの酸化ストレスによる細胞死に対し抵抗性を示す傾向を示した。しかし、発現量が顕著に増加した安定したクローンを得ることができず、神経細胞死におけるFAKの役割解析に用いることはできなかった。
2.変異型遺伝子(Y397F, K454R,またはY925F)を導入した細胞は、さらにサブ・クローニングを行い、各々について高発現のクローンを得た。
FAKの自己リン酸化部位の変異体であるY397F変異は、ドミナント・ネガティブとして働くと考えられている。Y397F遺伝子導入細胞では、ロテノンや高濃度ドーパミンなどの酸化ストレスやブレフェルジンAのような小胞体ストレスで細胞死を誘導した際、ベクター細胞に比べ死細胞が2〜3割増加した。蛍光色素ヘキスト33258を用いた核形態の観察でも、同様の結果が得られた。
一方、触媒部位の変異体であるK454R遺伝子導入細胞は、上述の刺激により誘導される細胞死に対し、明らかな抵抗性を示した。ロテノンによるカスパーゼ-2および-3の活性化も、ベクター細胞に比べY397F遺伝子導入細胞では強く誘導されていたのに対し、K454R遺伝子導入細胞ではほとんど活性化していなかった。接着斑において他のタンパク質と会合するC末端部分の変異体であるY925F遺伝子導入細胞では、ベクター細胞と同程度の細胞死を生じた。(投稿準備中)
3.Y397FとK454R変異導入細胞で細胞死に関わる種々のタンパク質の発現を比較検討したところ、Y397F遺伝子導入細胞では生存シグナルを担うAKTの発現量が減弱し、一方カスパーゼ-12の発現が増加傾向を示していた。これらの変異は共にFAKのキナーゼ活性を低下させると考えられているにも関わらず、相反する結果を示したため、各細胞についてシグナル伝達経路の差異を解析、検討中である。

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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