研究課題/領域番号 |
14572164
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研究機関 | 昭和薬科大学 |
研究代表者 |
宇都宮 郁 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (70168722)
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研究分担者 |
宮武 正 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (50048998)
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キーワード | 神経栄養因子 / 運動神経 / CNTF / ツボクサ / イチョウ / カリウムチャネル / ハイブリドーマ / アセチルコリンレセプター |
研究概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)等の運動神経変性疾患は神経細胞の変性死によっておきる難病である。我々はこの治療法の開発の可能性を神経栄養因子(neurotrophic factor : NTF)に求め、毛様体神経栄養因子(ciliary neurotrophic factor : CNTF)を用いて、Cashmanらによって樹立されたマウスの神経芽細胞腫と脊髄の運動神経のハイブリドーマNSC-34に対する生存延長作用について検討してきた。その結果無血清下で培養したNSC-34細胞はCNTFにより有意にその生存が延長された。またこの作用はガングリオシドGM2によって増強された。GM2がCNTFレセプターの発現または結合能を増強することが示唆されたので抗CNTF抗体による免疫沈降を行いNSC-34細胞上に68kDaのCNTFレセプターを検出した。さらにGM2はCNTFの結合親和性を高めることを明らかにした。CNTFはIL-6ファミリーに属するサイトカインであり、これらはそれぞれに特異的な受容体と共通の受容体であるgp130を共有する。我々は免疫染色により、NSC-34細胞上にCNTFレセプターとgp130が共発現していることも証明した。今回は低分子の化合物にこの運動神経様細胞の成長を促進するものがないか調べる目的で、インドで「知能長寿薬」として用いられているツボクサの配糖体に着目した。ツボクサ配糖体は血清存在下でNSC34細胞の増殖を促進した。今後は無血清下でCNTFと同様の効果があるか、また他の神経細胞にも作用があるかについて検討していきたい。
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