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2004 年度 実績報告書

標準的3剤併用ピロリ菌除菌療法によるCYP3A4阻害作用の検討

研究課題

研究課題/領域番号 14572166
研究機関明治薬科大学

研究代表者

越前 宏俊  明治薬科大学, 薬学部, 教授 (00191924)

研究分担者 大西 明弘  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (00194225)
キーワードクラリスロマイシン / シトクロームP450 / ヘリコバクターピロリ菌 / ランソプラゾール / コルチゾール / 薬物相互作用 / 部分代謝クリアランス / 6β水酸化コルチゾール
研究概要

標準的なヘリコバクターピロリ(HP)菌除菌療法はプロトンポンプ阻害薬、アモキシシリン、クラリスロマイシンの3剤併用であるが、抗HP作用の中心であるクラリスロマイシン(CAM)は、シトクロムP450(CYP)3A4分子種の代謝活性を阻害することが知られており、多くのCYP3A4基質薬物との薬物相互作用が報告されている。今年度は、この薬物相互作用機構に対するin vitro実験系での検討を利用して、in vivoにおける阻害作用の強度および時間経過の予測を行った。した。ヒト肝ミクロゾーム実験系を用いた検討では、CAMはCYP3A4選択的な阻害作用を有するものの、その阻害作用はKi値として数十μMと弱かった。従って、競合的なCYP3A4阻害機構による酵素阻害は、標準的な治療量のCAMで得られるヒトの血漿中薬物濃度が数μM程度であるため、たとえ消化管吸収期間に達成される門脈血流中の薬物濃度を考慮したとしても、最大限5%内外のCYP3A4活性阻害の影響しか示さないことが判明した。研究初年度においてHP除菌療法に標準的に用いられる投与量(400-800mg/day)と投与期間(1週間)で、CYP3A4活性の指標である内因性コルチゾールの6β位水酸化体への代謝クリアランス(CLm_<6βOHC>)が50%程度低下することが判明しているため、薬物代謝酵素に対するCAMによるmechanism-based阻害を検討した。その結果、CAMは、時間依存的および濃度依存的なmechanism-based機構のCYP3A4阻害作用を有しており、その酵素不活化強度はCYP3A4に対する代表的なmechanism-based阻害薬であるトロレアンドマイシンと同程度であった。そこで、現在最も信頼性のあるmechanism-based予測モデルを用いてin vivoでの阻害強度を予測すると、およそ誤差の範囲内で満足しうる一致性が見られた。この結果、3年間を通じて、標準的な3剤併用によるCYP3A阻害はおよそ50%であり、その時間経過も解明されたことから、本研究で確立された方法論は他のmechanism-based阻害薬の前臨床スクリーニングにも有用であると考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 医薬品の相互作用:その虚像と実像・科学的実証を求めて2004

    • 著者名/発表者名
      越前宏俊
    • 雑誌名

      臨床薬理 35

      ページ: 283S-284S

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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