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2002 年度 実績報告書

組織適合抗原テトラマーを用いた生体肝移植後の抗ウイルス細胞障害性リンパ球の定量

研究課題

研究課題/領域番号 14572181
研究機関京都大学

研究代表者

工藤 豊一郎  京都大学, 医学研究科, 助手 (80324622)

研究分担者 田中 紘一  京都大学, 医学研究科, 教授 (20115877)
江川 裕人  京都大学, 医学研究科, 助教授 (40293865)
一山 智  京都大学, 医学研究科, 教授 (30223118)
キーワード組織適合抗原 / テトラマー / CTL / CMV / EBV / ウイルス / 移植 / 検査
研究概要

<対象症例>京都大学医学部附属病院にて肝移植術を受けた59例(男/女=27/32。年齢:5ヵ月〜62歳)を対象とした。術後経過期間は1ヵ月から3年2ヵ月であった。
<方法>末梢血を用いてウイルス核酸の定量と抗ウイルス細胞傷害性リンパ球(以下CTL)の検出を行った。
ウイルス核酸の定量はサイトメガロウイルス(以下CMV)およびEpstein-Barrウイルス(以下EBV)を対象としリアルタイムPCR法で行った。
抗ウイルスCTLの検出は、組織適合抗原テトラマー(以下テトラマー)を用いて末梢血白血球を染色し、フローサイトメータで解析した。テトラマーとしては、HLAA0201またはA2402を発現させてウイルス抗原ペプチドを組み込んだものを用いた。ウイルス抗原ペプチドにはCMV抗原またはEBV抗原に由来するものを用いた。
<結果>
手術後1カ月以上追跡したHLA A0201例(N=18)の100%でCMVに対する抗ウイルスCTLが陽性化した。EBVに対しては94%の例で抗ウイルスCTLを検出した。同様にHLA A2402例(N=45)では、CMVに対するCTLは60%、EBVに対するCTLは38%で検出された。またHLA A0201とA2402の両方を持つ患者でA0201テトラマー陽性の抗ウイルスCTLはA2402テトラマーのそれよりも頻度が高かった。抗ウイルスCTLのCD8陽性細胞に占める頻度は、血液中にウイルスDNAが出現すると高くなる傾向がみられた。
<解釈>テトラマーによる抗ウイルスCTLの検出は、移植術後のウイルス感染の病態理解に有用と思われた。追跡と解析を続行しており、臨床検査としてテトラマーによる抗ウイルスCTLの検出が有用かどうか今後明確にする予定である。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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