研究課題/領域番号 |
14572191
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
高橋 伯夫 関西医科大学, 医学部, 教授 (80094431)
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研究分担者 |
小宮山 豊 関西医科大学, 医学部, 講師 (40140264)
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キーワード | 内因性ジギタリス / マリノブファゲニン / テロシノブファギン / 慢性腎不全 / 液体クロマトグララフィー / 質量分析 / 構造解析 |
研究概要 |
ウアバイン様物質はステロイド骨格を有する可能性が大であり、副腎で合成されるとすると、その基質がプロゲステロンである可能性が高い。そこで、PC12細胞の培養上清にプロゲステロンを添加してOLIの産生(放出)量を算定すると、用量依存性にOLF濃度が上昇することを明らかにした。他方、PC12細胞をホモジナイズして、凍結・融解し、細胞内のOLF濃度を測定すると、プロゲステロン添加量とは用量依存関係はなかった。すなわち、OLFは産生されると直ちに放出される構成的(constitutive)な産生・放出様式をしていることを明らかにした。そこで、プロゲステロンを基質としてPC12細胞培養液に添加して大量に培養し、培養液中から前処理の後、5段階のカラム操作によりOLF分取し、最終的には高速液体クロマトグラフィー/質量分析装置(LC/MS)を用いてOLF分画にある物質の構造を解析した。その結果、質量数はウアバインと同一であり、そのDaughter Ionの構成(それぞれの質量数を含め)もウアバインと同一であることが明らかとなった。しかし、その血中濃度は極めて低く、生理活性から考えて生理的役割を議論するには無理がある。そこで、方向を転換し、Bagrov一派が行っている一連の研究課題、Marinobufmgenin(MBG)の構造解析と生体内での濃度測定を試みた。まず、市販のMBGの精製品を購入して分析したところ物質は均一でなく、主に2つの物質が含有されていることを見出して、その精製を試みた。その結果、主要な物質はMBGとMBGより分子量が2多い成分(telocinobufagin : TCB)であることがLiquid Chromatography Mass Spectrometry (LC/MS)とNMRで明らかにした。慢性腎不全患者の血中濃度を測定すると、MBGとTCBは健常者より有意に高値でTCBはMBGの約2倍量あることが判明した。
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