研究概要 |
Clostridium difficileのPCR ribotypingおよびパルスフィールド電気泳動(PFGE)によるタイピングにかわるタイピング法として、slpA遺伝子のシークエンスによるsequence typing(slpAST)の確立を試みた。 1.日本の複数の施設の入院患者から分離されたC.difficile臨床菌株のうち、6施設で各々最も多くの症例から分離され、流行株となっているタイプ、PCR ribotype smz株についてslpASTを行うた。異なる8施設から分離された8株はお互いに1nucleotideの差異で3タイプ(type smz-1,smz-2,およびsmz-3)に分けられた。 2.Type smz株が分離された糞便検体2検体からDNA抽出を行い、nested PCRによりslpA遺伝子の一部を増幅することができた。そのPCR産物をシークエンスしたところ、type smzと同定することができ、それぞれ糞便検体からのタイピング結果と分離菌株からのタイピング結果は一致し、検体からのdirect typingの可能性が示唆された。 3.日本の病院で分離されたtyme smz株以外の異なるPCR ribotype10タイプ10菌株についてslpASTを行ったところ、既に報告された遺伝子配列から選んだプライマーでは遺伝子増幅が認められない菌株が5菌株認められた。それらの菌株のslpA遺伝子の遺伝子配列を決定し、commom primer設計検討中である。
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