研究課題/領域番号 |
14572200
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
斉藤 早香枝 筑波大学, 社会医学系, 講師 (50301916)
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研究分担者 |
村井 文江 筑波大学, 社会医学系, 助教授 (40229943)
江守 陽子 筑波大学, 社会医学系, 教授 (70114337)
斉藤 伸治 北海道大学, 医学部付属病院, 助手 (00281824)
谷川 裕子 筑波大学, 社会医学系, 助手 (60323309)
野々山 未希子 筑波大学, 社会医学系, 講師 (90275496)
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キーワード | 障害児 / 家族支援 / 障害の受容 / 父親の役割 |
研究概要 |
障害児を持った家族支援の介入モデル作成のために、障害児の父親の適応過程と家族の関係性に着目した質的研究を行った。研究協力の同意が得られた障害児を持つ父親14名に半構造化されたインタビューを実施、内容はすべて逐語録におこされ、質的研究の手法に乗っ取って分析された。 結果、「父親の子どもの障害の受容」に関しては、「認識、受容時期、受容過程の多様性」と、多くの父親が心理的に辛い時に人に頼ることなく、自分の中で気持ちを整理し「一人で乗り越えていく」傾向があること、日常の些細な出来事や、児の療育に伴う「転職や転居の必要性」、「障害児の次の子どもの出産」という事象で、悩みながらも前向きに「理想と現実の折り合い」をつけていること、夫婦の役割分担は個々の家庭で違い、「夫婦の関係性」においては、「相手への期待と双方の了解」、父親・夫として「家族に対する責任」や「妻への感謝といたわり」の大切さを実感していること、などが共通にみられた。 障害児の父親およびその家族は、適応の過程で、直面する問題に対し主体的に情報収集し何をなすべきか判断していく存在であった。支援として最も重要なことは、対象者および家族の自律性が発揮されるように行われることと思われた。 障害児を持つ父親への支援として今後充実されるべきものとしては、1)役に立つ情報の整理と活用のためのガイド、専門職種の養成 2)父親の交流の場の整備 3)夫婦、家族を単位とした関係性への支援 4)レスパイトケア等介護支援の充実 等が具体的に挙げられた。
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