研究概要 |
この研究は,看護職を目指している学生の入学時から卒業までの対人関係,さらには就職後の対人関係の経過を,実際の対人距離と心理的対人距離,また,理想とする対人距離を測定し分析を行う.同時に,病室を想定した実験場面で,対人距離と心拍数や瞬目などの生理的指標を測定し,看護職を目指す学生の対人距離の調整の仕方の経過を分析する,これらの2点をふまえて現場に応用するとともに,基礎看護教育における教育プログラムの開発に必要な知見を得ることを目的としている. 平成14年度は,学年進行によって患者-学生間の対人距離がどのように変化するかを知るために,平成12年度から調査を進めていた学生の3年次臨地実習での対人距離の調査を1年間実施した.現在データの分析を行っている. また,本学実習室において,臨床での看護場面を想定した環境を整備し,(1)看護場面での患者と学生間の対人距離の変化に伴う生理指標および心理指標の変化を測定する(2)臥床している患者のパーソナルスペースの変化を知ることを目的として,平成15年以降に行う予定である実験の予備実験を行った.今回の実験は主に臥床している患者のパーソナルスペースの変化,看護師がどのような位置で接近し,どのような対面の仕方で患者の空間の領域を侵すことなく看護ケアができるかを検討することに主眼をおき,臥床している対象者の心拍数,瞬目数,呼吸数,血圧,血流量の生理的指標と看護師役のモデルが接近したときの心理指標を測定した.こちらも現在データ分析中である.
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