研究概要 |
この研究では,看護職を目指している学生の入学時から卒業までの対人関係,さらには就職後の対人関係の経過を,実際の対人距離と心理的対人距離,また,理想とする対人距離を測定し分析を行う.同時に病室を想定した実験場面で,対人距離と心拍数や瞬目などの生理的指標を測定し,看護職を目指す学生の対人距離の調整の仕方の経過を分析する.これらの2点をふまえて現場に応用するとともに,基礎看護教育における教育プログラムの開発に必要な知見を得ることを目的としている. 平成14・15年度は,主に課題に関する実験と調査およびそれに関する学会発表を行ってきた. 平成16年度は,平成15年度に行った実験結果を「臥床者と接近者との直視・非直視による生理指標の変化」として日本看護技術学会で発表した.また,平成15年度に精神科病棟と急性期病棟での臨地実習において,学生の対人距離の比較に関するデータ収集・分析を行った結果を「精神看護実習における学生-患者感の対人距離の変化」(東北大学医学部保健学科紀要,13(2),157-164,2004),「急性期の成人看護実習における患者-学生間の対人距離の変化」(東北大学医学部保健学科紀要,14(1),13-20,2005)として発表した. 平成17年度は研究の最終年度として,今まで行ってきた調査・実験でまだ論文として報告していない部分の論文作成に力を入れていく予定である,さらに学生の場合と実際に現場で働いている看護師の比較を行うために,対人距離の測定を行い平成17年度中に報告を行う予定である.
|