研究概要 |
目的 地域高齢者看護の領域において,看護アセスメントの項目を特定し,その主な関連要因と指標を特定し,地域高齢者看護のアセスメントおよび評価のツールを開発することである. 方法 本年度は,高齢者の保健福祉活動のための地域看護アセスメントガイド案に関して第2回目のデルファイ法による郵送調査の回収と,さらに3回目の調査を実施した.有効回答は第2回目が206名(71.0%),第3回が172名(59.3%)であった. 結果 1.2回目調査結果:アセスメントガイドの基本的な考え方の妥当性 「アセスメント項目を,身体生物・心理・社会・行動・霊的の5つの領域に区分すること」は93.7%が,「人々の反応を健康課題と考えること」は95.6%が,「健康課題に対する対策として行政課題を位置づけること」は98.5%,「健康課題を中項目レベルに設定したこと」は96.6%が適切と回答した.5つの領域別に,健康課題を測定する指標と関連指標の適切性について検討を行った. 2.地域看護アセスメントガイド案の修正 健康課題の指標と関連要因の指標の関連をわかりやすくするために図示した.大項目と中項目のそれぞれの項目の妥当性を検討し,2項目について統合を行った.さらに名称の検討を行い,一部項目名を変更した. 3.3回目調査結果:ガイド案の妥当性・有用性と健康課題の指標について 健康課題の妥当性では,健康課題の中項目と大項目で90%以上が妥当性がないと回答した項目は無かった.全体としての妥当性は80.3%が肯定していた.アセスメントガイドの有用性では,高齢者保健福祉計画作成において有用と回答したものは85.5%,地域の高齢者の健康課題抽出の指標を考える際に有用と回答したものは95.3%であった.
|