研究課題/領域番号 |
14572211
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
山崎 洋子 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (10248867)
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研究分担者 |
太田 真里子 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (40293451)
山岸 春江 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (40090386)
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キーワード | 母子保健事業 / 保健師 / 公立図書館 / 読書推進活動 / 育児支援 / 保健師活動 / 行政サービス |
研究概要 |
1.乳児を対象とした絵本の読み聞かせの育児支援としての効果の検討 市町村保健師と公立図書館の司書との協働活動により、乳幼児を対象とした母子保健事業に絵本の読み聞かせの実演や配本を実施している市町村において、乳児健診で配本された絵本がどのように家庭の中に取り込まれたかを家庭訪問による聞き取り調査によって調べた。その結果、配本された絵本は、家庭の中でくり返し読まれていた。その読み手は、両親、兄弟、祖父母と多様であった。これらのことから、乳児を対象とした絵本の読み聞かせの育児支援としての効果として、乳児と保護者とのふれあいを促進し、保護者が育児を楽しむ機会になること、絵本を媒体とした家族の相互関係の促進にもなりうることがわかった。さらに、図書館の乳幼児向けのサービスが保護者に浸透し、図書館を育児支援のネットワークの一つとして位置づけられることも確認した。 2.母子保健事業における公立図書館の乳幼児読書推進活動の活用実態 市町村で実施される乳幼児を対象とした母子保健事業における図書館司書と保健師との協働活動の実施の実態を調べた。その結果、絵本の読み聞かせ事業の実施は、市町村の人口規模や公立図書館の有無と司書の配置、それまでの乳幼児を対象とした母子保健事業における他職種との協働活動の実績などが関連していると考えられた。乳幼児健診での絵本の読み聞かせの実施のきっかけは、図書館司書からの働きかけであるところが多かった。 以上のことから、母子保健事業における市町村保健師と図書館司書との協働活動は、地域の行政サービスとして提供される育児支援方法として効果的な活動であると予測される。最終年度では、これらの成果をふまえ、育児支援として効果的で効率的な保健師と図書館司書との協働活動を検討し、また、絵本の読み聞かせが保護者の育児態度や育児する気持ちに与える変化や影響を調べていきたいと考えている。
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