研究課題
1.モデル地区の外出頻度の少ない高齢者に対する第1回面接調査の結果(1)普段の生活は自立しているが、一人で遠くに外出するには家人に依存している虚弱高齢者が多い(2)限られた交流範囲ではあるが、家族以外とのコミュニケーションの機会をもっている(3)生き甲斐といえるものを答えることができる(4)後期高齢者の人は前期高齢者の人に対して様々な面で違和感をもち、既存の老人クラブや健康教室等は80歳代の人にとっては物理的にも、心理的にも参加しにくいものである以上のことから、介護が必要になると施設か街に住む子供夫婦の所に引っ越すため在宅に残るのは、身辺自立はしているが外出しにくい虚弱な高齢者像が明らかになり、高齢者の年齢や障害を考慮し、移動手段も確保したサービスが必要であることが示唆された。2.モデル地区の外出頻度の少ない高齢者に対する第2回(1年後の変化)面接調査の結果(1)80歳以上ではすでに重篤な既往歴があったり、日常生活に介助が必要であった人は、身体状態が悪化していた。(2)前期高齢者、特に60歳代で現役で仕事をしている人は、外出頻度は少なくても意欲的な生活を送っていた(3)外出頻度が少なくても主体的に暮らしている人は、家族(別居・同居に関わらず)が定期的に外出機会を作ってくれるなどの支援があった(4)外出希望のある人は、送迎手段の確保や、交流の場の内容、本人の健康状態によって外出継続の可否が左右された(5)外出頻度が少なくても、現役で仕事をしている人は運動量(歩数測定結果から)は高い。しかしいわゆる「閉じこもり」の人は同年代の30-40%の運動量であり、これらの人の健康支援のあり方が課題である。(6)高齢者夫婦世帯では夫婦完結型で、他者との接触が少ないが夫婦間でコミュニケーションが多く行動をともにすることが多かった3.モデル地区の後期高齢者、閉じこもり群を対象とした「閉じこもり予防活動」の実践結果(1)内容:毎月1回実施(H14/11〜16/1まで)延べ300人(うち「閉じこもり」対象者延べ128人)(2)企画、運営を地域のボランティアを中心に展開(3)実践評価:モラール得点は、参加することで変化は見られなかった。参加の動機づけは、ボランティアや友人の影響が大きいこと、参加を継続するには、自ら楽しいと思えることや健康によいと思えることが大きな要因であった。実施内容では身体的な負担が少なく、ある程度参加型、回想できるものが好まれる傾向にあった。
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