研究課題/領域番号 |
14572220
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
金武 直美 神戸大学, 医学部, 助手 (50264487)
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研究分担者 |
中村 美優 神戸大学, 医学部, 助教授 (40189064)
川又 敏男 神戸大学, 医学部, 教授 (70214690)
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キーワード | 老人 / ドッグセラピー / ボランティア / アニマル・アシステッド・セラピー / アニマル・アシステッド・アクティビティー |
研究概要 |
ドッグセラピー活動の参与観察や意識調査を継続し活動内容の分析の精緻化を図るとともに、効果的ドッグセラピーの要素を模索する視点で、老人・ボランティア・施設職員の個に焦点をあて調査・質的分析を行った。 <活動の概要>平成14年1月〜17年2月にボランティアグループSによる特別養護老人ホームEでのドッグセラピーは月一回計37回であり、うち研究者参加は22回である。平均参加人数は、ボランティア10.2人、セラピードッグ9.3頭、老人26.1人、施設職員4.9人であった。参加ボランティアは男性6人女性33人計39人(一回のみの体験・見学者等28名を除く)であった。毎回のプログラム終了直後の意識調査では、参加の満足度は平均3.94(レンジ1〜5)であり、概ね満足という結果が得られた。 <効果的ドッグセラピーの必要条件>老人:情緒面の刺激だけでなく身体の活性化にもつながっており、障害・痴呆が高度な場合でも参加が可能であるが、特に高度痴呆である場合はプログラムの工夫や施設職員のサポートが必要であり、ボランティアへの情報提供が必要である。ボランティア:やりがい・達成感を得るだけではなく自分自身の「老いの準備教育」にもなっていることが示唆されたが、老人特有の疾患・障害の理解やコミュニケーション技術の習得が必要であり、安全を保証するためにもセラピードッグの訓練、感染症などの清潔面のケアが必須である。施設職員:引き出された老人の反応(表情変化・記憶想起)をみることで、介助する人・される人の関係のみでない関係性の構築のきっかけとなっており、ケアの質の向上につながることが示唆されたが、ドッグセラピー活動の目的・意義を理解すること、老人の身体状況・障害の種類を把握したうえで老人-ボランティアの交流をサポートし参加を促す役割をとること、非専門職者がケアに参加する事への配慮(事故)の必要性が浮上した。
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