1、CNISの開発 ICU医療評価において、看護介入度測定をするツールである包括的看護介入度(Comprehensive Nursing Intervention Score : CNIS)を開発した。これは、ICUで実施される約70項目の処置について、看護師の処置準備業務度、実施時間、投入人数、肉体的疲労度、精神的ストレス度をDelphi法によって点数化したもので、それらの合計得点を各処置に対するNIS-T (Nursing Intervention Score per Treatment)とし、日毎に得点化するものである。CNISの算定は、大学病院の総合医療情報システムのホストコンピュータに蓄積された患者データベース(病歴システム)をサーバコンピュータに再度データベース化をはかり、該当患者に行われた入室期間中の処置よりCNISを算定するようになっている。 2、CNS-FACEの開発 CNISは、患者への身体的看護介入度はある程度の妥当性と信頼性を持っていることがわかったが、精神的援助には別の側面からのアプローチが必要となった。そのため、ICU医療における精神的援助の重要な一面である家族看護について、家族のニーズとコーピングを量的に測定できるツールの開発に取り組んだ。これは、CNS-FACE (Coping & Needs Scale for Family Assessment in Critical and Emergency Care Settings)と命名したもので、46項目の行動評定尺度で構成される。 3、CNISとCNS-FACEによるICU医療評価(計画) 実際の臨床看護に於いて、CNISとCNS-FACEを測定し、看護介入度と精神的援助の1側面である家族ケア量を把握することによって、ICU看護の量的評価を実施する予定である。
|