1、CNISによる看護量測定の実際と評価 ICU医療評価において、看護介入度を測定するツールである包括的看護介入度(Comprehensive Nursing Intervention Score : CNIS)を開発し、これを用いた介入度測定の実際とツールとしての妥当性を評価した。実施対象者は、ICUに24時間以上在室した15歳以上の患者で死亡、生存退院の確定している107名。大学病院の総合医療情報システムのホストコンピュータに蓄積された患者データベース(病歴システム)を利用し、入室期間中のCNISを自動算定した。また、同患者についてNEMS(Nine equivalents of nursing manpower use score)を測定し、CNISとの比較検討をした。 その結果、延べ1160日のCNISとNEMSの回帰分析、および、治療断念前後でみたスコアーの変化を比較すると、CNISは医学的治療の大小にかかわらず、看護量そのものを包括的に測定できるツールであることが確認できた。 2、CNISとCNS-FACEによるICU看護度評価への活用 ICU医療における精神的援助の重要な一面である家族看護について、家族のニーズとコーピングを量的に測定できるツールCNS-FACE(Coping & Needs Scale for Family Assessment in Critical and Emergency Care Settings)を開発し、CNISとCNS-FACEによる看護介入度と精神的援助の1側面である家族ケア量によるICU医療評価への活用について考察した。
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