研究概要 |
本研究の目的は、師長のとるリーダーシップ行動と組織がもつ風土が、看護師の職務満足とどのように影響しているのかを明らかにし、師長のとるリーダーシップ行動改善プログラムを開発することである。研究目標1:師長のリーダーシップ行動をKouzes & Posner(1988)が開発した測定用具をもとに信頼性・妥当性を検討し、「信頼・支援」「ビジョンへのチャレンジ」「ビジョン実現への実行」「仕事の責任」「仕事成果の称賛」「情報・知識による達成」(累積寄与率66.42%)と命名した。研究目標2:実践現場の組織風土の測定用具を作成し、「人間関係・支持」「看護業務の遂行」「職場環境」「師長の役割・責任」「看護部への一体感」「自己実現」「上司・医師との関係」「同僚との評価」(累積寄与率37.01%)が、抽出された。研究目標3:看護職の職務満足は、Yamashita(1995)が、開発した測定用具を検討し「人間関係」など7因子が見いだされた(累積寄与率42.96%)。また総括的職務満足(Smith,1996)も検討した。研究目標4:師長のリーダーシップ行動・組織風土・看護スタッフにおける職務満足との関連検証は、重回帰分析を用いた(有効回答数609名、有効回答率41.0%)。分析の結果、組織風土は、リーダーシップよりも影響力が強かった。特に組織風土のうち<師長の役割・責任>は、リーダーシップを構成するすべての要素に影響がみられた。組織風土と看護スタッフにおける職務満足は、互いに強く影響しあっていた。またリーダーシップの<ビジョン実現への実行>は、組織風土の<看護部への一体感>に影響を与え、<看護部への一体感>は職務満足の<看護ケア>と<処遇>に影響を与えていることが明らかになった。個人的要因や認知は、リーダーシップ・組織風土・職務満足に影響が見られた。研究目標5:師長7名によるフォーカス・グループに面接を行い、その結果、リーダーシップ行動を構成する要素が示唆された。
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